The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

私的な集まりは5人まで スイス、コロナ対策を再強化

berset and sommaruga
緊急閣僚会議を終え、午後6時半に会見に臨んだスイスのソマルーガ大統領(右)とベルセ大統領 Keystone / Peter Klaunzer

スイス連邦政府は8日、今週末からほとんどの公共イベントを禁止し、全国のレストランや小売店の閉店時間を早める計画を発表した。

連邦内閣は同日緊急閣僚会議を開き、3つの柱から成る追加感染対策外部リンクをとりまとめた。

第1段の措置案は12日から来年1月20日まで実施。私的な集まりを最大5人かつ2世帯に制限する。ただしクリスマス期間(12月24~26日)と大晦日(31日)は10人までとする。

レストランやスポーツ・レジャー施設、小売店は午後7時に閉店し、日曜日は休業とする。スキー場は「野外活動」として免除される。

公共スペースでの集会は、宗教上の礼拝や議会を除き禁止される。

連邦内閣は各州の意見聴取を踏まえて11日に再度会議を開き、12日からこれらの措置を導入するか最終決定する。

全国一律の措置

スイスで8日に報告された新規感染者数は4262人で、2月の流行開始以来の累計では35万4568人に達した。7日には累計死亡者数が5千人に達した。

10月に始まった新型コロナウイルス感染症の第2波に対して、連邦政府が決める全国的な措置に加え、各州政府が独自により厳しい規制を出し、感染対策がばらばらになっている。このため欧州でも特に感染者が多くなっているにもかかわらず、流行拡大に歯止めが利かなくなっている。

春の第1波とは異なり、連邦政府は緊急事態宣言を出し感染対策の全指揮権を取る方針はないという。ただアラン・ベルセ内務相は8日、同日発表した措置は全国一律の感染対策に近づけるための努力を表していると語った。

必要に応じてさらに制限も

連邦政府は第2、第3の追加措置を検討している。今後数週間で状況が改善しない場合は、第2段としてレストラン・小売店の全面閉鎖などさらに強力な対策を講じる。18日に第2段の是非を議論する。第1段よりも「的を絞った」(ベルセ氏)対策になるとちらつかせ、その前に各州が必要な対応を取るよう圧力をかけた。

第3段は規制の影響を受ける企業を支援するための財政パッケージとなる。18日に財務、経済、内務、司法各省が政府に支援策の案を提出する。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

煙の立ち上る原子力発電所

おすすめの記事

スイスの政治

スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北西部のゲスゲン原子力発電所の運転再開がさらに6カ月間遅れることになった。定期検査が行われた5月下旬以降、発電を停止している。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期
会見に応じるスイスのカシス外相とイタリアの外相

おすすめの記事

スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。

もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
ドナルド・トランプ大統領

おすすめの記事

世界貿易

トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに

このコンテンツが公開されたのは、 スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。

もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
大西卓哉飛行士

おすすめの記事

宇宙研究

国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献

このコンテンツが公開されたのは、 日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。

もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
ジュネーブのトラム

おすすめの記事

気候適応

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
湖に飛び込もうとする男性の後ろ姿

おすすめの記事

スイスで記録的暑さ 政府が警告

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。

もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
作家のアドルフ・ムシュク氏

おすすめの記事

文化

知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

このコンテンツが公開されたのは、 ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。

もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部