The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

台風ルート、年々北寄りに スイスなど国際調査

台風の被災地
25日、メキシコのエスクイナパに上陸したハリケーン「ウィラ」の被害 Copyright 2018 The Associated Press. All rights reserved.

熱帯性低気圧が北向きに移動する傾向が年々強まっていることがスイスなど4カ国の実施した国際調査で明らかになった。調査では嵐で倒れた樹木の年輪に注目した。

これまで、熱帯性低気圧(ハリケーンや台風とも呼ばれる)の動き方や威力の長期的な変化については知見が乏しかった。

スイス連邦森林・降雪・国土研究所(WSL)がチェコ、ロシア、韓国と協力して行った調査外部リンクでは、これまで台風が通過しなかった地域にも上陸する傾向が強まっていることが明らかになった。

報告書を執筆した研究者のヤン・アルトマンさんは、年輪には「木の一生にあった出来事が全て記録されている」と話す。調査では韓国からロシアまで1300キロメートルに及ぶ広大な範囲の樹木を分析し、過去200年間で台風にどのような変化が起こっているかを調べた。

「近年の台風の被災地は、かつて台風の影響をほとんど受けていなかった」とアルトマンさんはWSL のプレスリリースで述べた。台風は北向きに移動するようになっているという。

この変化が気候変動によるものなのか、長期的な自然変動によって引き起こされたものなのかは不明という。明らかなのは、これまで台風を経験したことのない地域は、被害に適切に対処する体制が整っていないということだ。

調査の詳しい内容は、米国科学アカデミー発行の機関誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。

おすすめの記事

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部