チューリヒ近郊のライナウは、ベーシックインカムのドキュメンタリー映画を撮影するにはうってつけの美しい村だ
© KEYSTONE / CHRISTIAN BEUTLER
チューリッヒ近郊のライナウで、住民に無条件で一定額の現金を支給する「ベーシック・インカム」を試験的に導入する計画が実現に一歩近づいた。社会実験にたくさんの参加希望者が集まったためだ。
このコンテンツが公開されたのは、
アンドレアス・ジェニ村長は17日、スイス通信Keystone-SDAに約800人が応募したと明かした。不備がある申請を除いた後、正確な申請受理数を公表する。
社会実験には最低650人の参加を必要としていた。応募者が集まり、残る問題は300万~500万フランとされる資金を民間からどう募るか、だ。
≫ライナウのベーシック・インカム実験の詳細
参加者は、職業や収入・資産に関わらず月2500フランを1年間にわたり支給される。ただし2500フラン以上の収入がある人は、支給されたベーシック・インカムを返納しなければならない。
映画監督のレベッカ・パニアン氏は、このプロジェクトがスイス北部・ライン川沿いのこの村にどのような影響を与えるか、ドキュメンタリー映画を撮影する予定だ。
PLACEHOLDER
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
続きを読む
おすすめの記事
ベーシック・インカム試験導入中止 チューリヒ・ライナウ村
このコンテンツが公開されたのは、
無条件の基本所得として村民に月額2500フラン(約28万円)を試験的に支払う「ベーシック・インカム」計画は、資金を十分に調達できず中止となった。
もっと読む ベーシック・インカム試験導入中止 チューリヒ・ライナウ村
おすすめの記事
無条件のベーシックインカム 500年にさかのぼる歴史
このコンテンツが公開されたのは、
トマス・モアが著書「ユートピア」で無条件のベーシックインカムの思想を世に出してからちょうど半世紀後。スイスで、世界で初めてこの案の是非を問う国民投票が行われた。
もっと読む 無条件のベーシックインカム 500年にさかのぼる歴史
オピニオン
おすすめの記事
ベーシック・インカムは日本に光をもたらすか?第一人者が語る
このコンテンツが公開されたのは、
2016年、無条件のベーシック・インカム導入を求める国民投票をスイスで実現させ、世界的にも注目されたイニシアチブ(国民発議)の共同発議者として、また映画の原作者兼監督として、昨年と今年、招待を受け日本に数週間滞在。
もっと読む ベーシック・インカムは日本に光をもたらすか?第一人者が語る
おすすめの記事
ベーシック・インカム国民投票、敗者にも満足の色
このコンテンツが公開されたのは、
あの国民投票からおよそ1年。論議を呼んだイニシアチブの主題「最低生活保障(ベーシック・インカム)」がスイスで話題になることは少なくなった。だが、どの国も同じというわけではない。
もっと読む ベーシック・インカム国民投票、敗者にも満足の色
おすすめの記事
否決されたベーシック・インカム、読者の声を基に 再考
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで行われた今月5日の国民投票で、世界初となるはずだったベーシック・インカム導入案はあっけなく否決された。しかし、同案に対する日本からの関心は投票前からも高く、否決後も多くのコメントがフェイスブックやスイスインフォの記事が掲載されたNewsPicks(ニューズピックス)に寄せられた。こうした反応を取り上げながら、スイスにおけるベーシック・インカム導入案について、もう一度振り返ってみた。
もっと読む 否決されたベーシック・インカム、読者の声を基に 再考
おすすめの記事
世界が注目したベーシック・インカム導入案は否決、スイス国内と海外の反応
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの国民投票で5日、国民全員に無条件に必要最低限のお金を支給する「最低生活保障」(ベーシック・インカム)導入案が76.9%の反対で否決された。しかし、このイニシアチブ(国民発議)を提起した側は、「今後さらに大きく取り上げられるテーマだ」と楽観的に結果を見ている。日本を含み国際的に大きな注目を集めたベーシック・インカム導入案。国内と海外からメディアの反応を拾った。
もっと読む 世界が注目したベーシック・インカム導入案は否決、スイス国内と海外の反応
おすすめの記事
ベーシック・インカム導入案、反対大多数で否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで5日、五つの案件の是非を巡り国民投票が行われた。働いているか、いないかに関わらず、国民全員に生活に必要最低限のお金を支給するベーシック・インカム(最低生活保障、最低所得保障)導入案は、反対約8割で否決。公共サービスの改善を求めたイニシアチブ(国民発議)と道路財源を巡るイニシアチブも否決。難民法改正案および着床前診断に関する法案は可決された。
もっと読む ベーシック・インカム導入案、反対大多数で否決
おすすめの記事
ベーシック・インカム スイスで実現するか?
このコンテンツが公開されたのは、
まもなくスイスでは、世界初となる決定が国民に委ねられる。果たして国家は、国民一人ひとりに、その収入に関係なく生涯にわたって月々の基本所得を無条件に給付していくことになるのか。「最低生活保障」(ベーシック・インカム)の導入をめぐり、賛成派は、「資本主義が支配し、労働において自動化が進む社会が生み出す問題への解決策だ」と主張。だが、反対派にとっては非現実的で危険な夢物語だ。
もっと読む ベーシック・インカム スイスで実現するか?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。