スイスは一人当たりの個人資産が世界で最も多い国の一つだが、富に代償はつきもの。スイス人の成人男女の9割が自分の好きなことに時間を使えず、ストレスを抱えているという調査結果外部リンクを、チューリヒの研究機関「Sotomo外部リンク」が27日公表した。
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スイス人の18~70歳の男女7958人に、ウェブで一日の時間の使い方を聞いた。仕事に8時間、通勤に1時間を割いているのに対し、食事やレジャーに5時間、睡眠は7時間、家事や書類の整理に3時間を当てていると回答。時間のある限り何かしら動き回っていることが分かった。
このためスポーツをしたり友人と遊んだり、リラックスしたりするほか、楽器や外国語を習う時間を持てていないという。回答者のほぼ半数以上が、旅行や冒険をする時間がないことを残念に思っているとした。
自分の好きなことをする時間がないと、ストレスになる。調査では、3分の2が「時間が足りず日常的にストレスを感じている」と回答。この傾向は女性に顕著で、35%がストレスを頻繁に、あるいは常に感じている状態にあるとした。一方男性は25%だった。
娯楽の時間を奪う原因で最も多かったのが、仕事(29%)だった。回答者の3分の2は、できるなら仕事の時間を減らして自由時間を増やしたいと答えた。テレビやインターネット、「何もしない」時間を原因に挙げた人は3分の1に上った。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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