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パーティーをパトロール

パーティーのメッカ、チューリヒ5区。パトロールの3人は積極的に若者たちに話しかける swissinfo.ch

チューリヒの週末、最高8万人にも上る若者がパーティーに外へ繰り出す。このため発生する騒音や暴力事件、公共施設の破壊、酔っ払いを拾い上げる救急車の出動など、多くの問題が浮上している。

このコンテンツは 2010/01/14 15:51

金曜日夕方5時。簡単なミーティングの後、第1シフトのアストリットさん、ヨーンさん、マルクスさんの週末パトロールが始まる。

社会管理のため

3人は夜10時まで、ガソリンスタンドの横にある駐車場やチューリヒ中央駅などをパトロールする。まずは学校の隣にある広場を懐中電灯を片手にゆっくり歩く。
「若者が出てくるには早い時間です。しかも外は寒いですし」
昨晩はさほど寒くなかったのだろう。ベンチには飲み干されたビールの缶が置かれ、ごみの間に吐いた後があった。次はガソリンスタンドだ。
「アルコール飲料を買えるので、若者がよく集まる場所です」
とアストリットさん。とはいえ、今はまだ静かだ。

3人はチューリヒ市社会福祉課の「安全・介入・予防局 ( Sicherheit Intervention Prävention / SIP ) 」に属すパトロール官で、繁華街や駐車場などでたむろする若者たちに積極的に声をかけるのが仕事だ。
「若者が、都会だから完全に匿名の裏に隠れることができると勘違いしないよう、私たちは彼らを見ているし、彼らもわたしたちが見えるという環境を作り、社会管理をしています」
とSIPのクリステァイン・フィシャー局長は言う。パトロールは非武装で、SIPのロゴが背中にあるジャケットを私服の上に着ている。コミュニケーションが最も重要な「道具」だという。
「協力的でなかったり、暴力を振るったりするようであれば警察を呼びます」

待ち合わせ場所の中央駅

駐車場とガソリンスタンドを見回ると、4人は中央駅へ向かった。広い構内を流れるように通りすぎる通勤客に混じって、大勢の若者が電車を待っている。ほとんどがグループだ。あるグループはこれから山に行くらしく、手荷物にスノーボード、そしてアルコールもたっぷりと用意しているようだ。パトロールの目的は若者たちに話しかけること。4人が彼らと話そうと試みると、若者たちは始めいやそうな顔をした。そのうちに打ち解けてきて「職業訓練生?」「一人住まい、それとも両親と住んでいるの?」といった質問にも答えるようになった。
「スノーボートをしに2、3日でかけるんだ。この旅行で、見習で稼いだ給料、全部使い果たしてしまうよ」
と笑いながら1人が答えた。

このグループが持っている何本かのビンには黄色い液体が入っていた。「ビールとシロップを混ぜたもの」とほかの若者が答えた。すると、アルコール一般の問題と酒を帯びた状態でのスキーの危険について話が及んだ。「昼食にビール1本はオーケー。それ以上飲んだら、スノーボードはしない」と明快な答えが返ってきた。

両親が呼ばれる時

このように会話が滞りなく進まないこともある。
「だいぶ酔っていて、しかも16歳以下らしい場合は微妙です。そういった場合は、保護者に連絡しなければなりません」
とアストリットさん。SIPは強制的な身元検査ができないため、若者が自主的に自分の年齢や保護者の電話番号を言うのを待つしかない。
「もちろん彼らの多くが、保護者の反応を怖がっています。連絡された保護者もショックを受けたりしますが、私たちの仕事ではあらゆることが起こると考えなくてはなりません」

夜10時にパトロールは交代となり朝8時まで続く。第2シフトのエリカさんとベニさんはまず、旧市街地に向かった。
「以前と変わって、このあたりは静か。若者が出歩いているのは5区」
とエリカさん。以前工業地帯だった5 区には、現在50軒以上のバーやパーティークラブがある。道路にはほとんど若者しかいない。こうした人たちで混雑し騒音も大きい。

ふらふら歩く若者たちの足元には割れたビンの破片。酔っ払いがいる証拠だ。「お酒が中心の社会です」とエリカさん。
「ここのバーは値段が高すぎるので、茂みが若者の居場所。バーでたむろして、持参したお酒を飲むために時々外に出る」
若者のたちとの会話も、夕方とは違った話題だ。「仕事、職業訓練、保護者との関係、恋愛関係などが興味の対象」

こうしたテーマにSIPのパトロールは耳を傾けながら、夜が更けていった。

サンドラ・グリツェリ 、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )

SIPパトロール

2007年、チューリヒ市では、パーティーに集まったり外出したりしていた若者による暴力事件が多発した。対策として、社会福祉課による「安全・介入・予防局 ( SIP ) 」が誕生し、公共の場とパーティー会場での安全の向上を図ることになった。
同年末からSIPは、町の路上などで積極的に青少年に話しかけるようにした。2008年10月に、公式にパトロールが導入され、青少年が遊ぶ際のリスクを啓蒙している。冬季には、ホームレスの面倒もみる。他局が扱いにくい青少年の問題に積極的に取り組む一方で、公共の場で騒いだりゴミを捨てたりする青少年に注意する役割を持つ。

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