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書体「ユニバース」の生みの親 欧文書体の巨匠、アドリアン・フルティガー死去

早くから新しい技術を取り入れてきたフルティガー。しかし「調和のとれた形は人間の手によってしか創り出せない」と述べている

早くから新しい技術を取り入れてきたフルティガー。しかし「調和のとれた形は人間の手によってしか創り出せない」と述べている

(Keystone)

書体「ユニバース(Univers)」の生みの親として世界的に有名な、フォントデザイナーでグラフックデザイナーのアドリアン・フルティガーが9月12日、ベルンで死去した。87歳だった。

 スイス・ベルン出身のフルティガーは、金属、写真、電子組版などすべての技術を駆使した、数少ないフォントデザイナーの一人だった。彼は生涯においてユニバースのフォントファミリ以外に、ロワッシー(Roissy)、アヴェニール(Avenir)、センテニアル(Centennial)、エジプシャン(Egyptienne)、グリファ(Glyphia)、セリファ(Serifa)、ヴェルサイユ(Versailles)など50以上の書体デザインを手掛けた。また、光学式文字認識装置で読み取り可能なフォントOCR-Bもデザインした。

 フルティガーの書体でスイス人に一番知られているのは、なんと言っても「アストラ・フルティガー(ASTRA-Frutige)」だろう。2003年以降スイスの道路標識にこの書体が使われているからだ。アストラ・フルティガーは目に留まりやすく、遠くからでも小さな文字でも読みやすいようにデザインされている。また、機能性とデザイン性を融合した書体だ。

 フルティガーの書体は道路だけではなく、空港や鉄道でも活用された。例えばパリのシャルル・ド・ゴール国際空港やパリ市内の地下鉄などで、書体「フルティガー」が使われている。

 フルティガーは、1928年ベルナー・オーバーラント地方のウンターゼーンに生まれている。インターラーケン近郊の印刷所で見習い工として勤務後、現在のチューリッヒ芸術大学に進学。1952年、フランスの活字鋳造所ドベルニ・エ・ペイニョに芸術監督として入社後まもなく、書体「メリディエン(Méridien)」をデザイン。その後、著名な書体ユニバースを生み出す。ユニバースは、写真植字システム導入の突破口となり、広告産業の発展にも貢献した。

 広告産業全盛期の1960年にアトリエを設立したフルティガーは、クライアントとしてエア・フランス、IBM、スイス・ポストなどを持った。

 書籍も多数出版。「活字の宇宙」(朗文堂)、「図説サインとシンボル」(研究社)が邦訳本として出版されている。賞も数多く受賞。芸術文化勲章、マインツ市グーテンベルク賞、ニューヨークタイプディレクターズクラブの賞などがある。

swissinfo.ch

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