ファクトチェック:スイスの「事実」

スイスにまつわる噂&都市伝説をファクトチェック(その2)

Keystone

スイスにまつわる噂や都市伝説で、読者から寄せられた「これってホント?」にスイスインフォが答えます。

このコンテンツは 2020/01/23 08:30

第2弾で扱うテーマは核シェルター、日曜日の騒音問題など多岐に渡ります。でもまずは、ギトギトした政治的話題から見ていきましょう。

Q:スイス国籍を取得するための試験で、フォンデュの作り方を知らないと不合格になるというのは本当ですか?(投稿者:Heather)

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本当ではありません。スイスの国籍を取得するための方法は自治体ごとに異なりますが、通常は一般常識テストと、なぜスイス国籍を取得したいかが問われる面接があります。ある特定の質問に答えられなかったからといって、試験に落ちることはありません。例えば首都ベルンの一般常識テストの合格ラインは6割。48問中29問正解すればパスできます。

ただ、40年以上スイスに住み、スイスの公用語を話し、スイスで3人の子供を育てたアメリカ人教授の国籍取得申請が却下されたというような、極端なケースを耳にすることもあります。

また独語大衆紙ブリックやswissinfo.chが報じた別の ―Heatherさんが質問を投稿するきっかけとなったであろう― ケースでは、トリリンガルの英国人起業家がラクレットの発祥地を知らなかった(ご存じですか?)ため、スイス国籍を取得できませんでした。このとき彼は、他の複数の一般常識問題にも答えられなかったことから、地元の帰化委員会は「スイスの習慣や伝統に関する知識が不足している」と判断しました。その後、2度目の申請で無事、帰化できたようです。

Q:戦争や核兵器による大量殺人など有事の際に行くべきシェルターが、スイスの住民にそれぞれ割り当てられているというのは本当ですか?(投稿者:Aliya)

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割り当てはありません。民間防衛に関する連邦法の第45条で「住民は皆、自宅近辺の保護シェルター内に場所を確保する権利を有するものとする」と定められています。また、建物の所有者と自治体は十分な数のシェルターを設置し、維持するよう義務付けてもいます。

ですからサイレンで緊急警報が流れても、どこかに行く必要はありません。ただ窓を閉め、自宅にいれば良いのです。おそらく住んでいる建物の地下に、避難場所があるのではないでしょうか。ただ、もし公共の避難場所に行っても、ちゃんと場所は確保されています。でもどこに?一番近いシェルターはどうやって見つけるのでしょう?

連邦国防省国民保護局(FOCP)に問い合わせると、「地元の自治体に問い合わせてください」という短い答えが返ってきました。そして、その後にこう続いていました。スイスに影響を及ぼすと考えられる核戦争の喫緊の脅威は現時点で認められず、そのため、「国民保護の分野における具体策は検討されていません」。

Q:スイスで借りることができる「シュレーバー菜園(小菜園)」では、日曜日の畑仕事は許されていないと言われました。本当ですか?(投稿者:Deborah)

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仕事の種類によります。ほとんどの菜園にはごみ、騒音、バーベキューなどに関する独自の「ハウスルール」が存在します。この中には日曜日や銀行休業日、そして特定の時間帯には機械を使ってはいけないというものも含まれます。ただ、少し耕したり、草取りをしたり、水やりをする程度のものは許容― むしろ奨励されます。詳しくは下の特別企画記事をどうぞ。

Q:クノール社の発祥地はスイスじゃなくてドイツって本当ですか?(投稿者:Rita)

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本当です。やんちゃで小さな「クノールリ」というキャラクターや、グルタミン酸ナトリウム(MSG)が入った万能うまみ調味料「Aromat(アロマット)」がスイスで良く知られていることから、インスタントスープをはじめとするクノール製品はスイス製だと思っているスイス人は多いかもしれません。しかしクノール社は、カール・ハインリッヒ・テオドール・クノール(1800~1875年)というドイツ人起業家が1838年、ドイツのハイルブロンという街で創業しました。本社は今もそこにあります。2000年以降は英蘭系食品・日用品大手ユニリーバの傘下に収まりました。

創業時、クノールは乾燥したチコリの根(コーヒーの代用品)と粉末の豆を作り、それを隣国のオーストリアとスイスに販売していました。1907年になると、クノールは高い関税の支払いを避けるためにドイツとの国境沿いにあるスイスのシャフハウゼン州タインゲンに工場を設立します。

戦後、スイスの工場は国内市場に注力し、1953年にアロマット、1960年に粉末マッシュポテト「Stocki(シュトッキ)」など、ヒット商品を世へと送り出しました。それらの商品パッケージに描かれているのが、(少なくともスイスでは)1948年に広告マスコットとして登場したクノールリです。

したがって、クノールの起源は100%ドイツです。ただ、特定の商品はスイスの市場向けにスイスで開発された、と言っても良いでしょう。

Q:スイスでは本当に、日曜日に掃除機をかけたり、アパートの掃除をしたりしてはいけないのでしょうか?(投稿者:Deborah)

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Q:共同洗濯室ではなく、自宅に置いた専用の洗濯機と乾燥機でも、日曜日に洗濯をしてはいけないのでしょうか?(投稿者:Joyce) 

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Q:午後9時以降に汚れた水を流しても大丈夫ですか?(投稿者:Anula)

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「静寂を破壊する」カテゴリーとして、この3つの質問にまとめて答えましょう。騒音問題については第1弾の「午後10時以降はトイレの水を流していけないのか」という質問でも触れましたね。

政府が17カ国語で発行する冊子「Living in Switzerland(スイスの生活)」の「隣人との付き合い方」という章にはこう書かれています。「通常、夜間の休息は午後10時から午前7時までで、お昼は正午から午後1時まで」。「これらの時間帯にはテレビやオーディオ機器は音量を中程度にまで下げ、大きな音のする活動は全て避けること。同じく日曜日や祝日も騒音を立ててはいけません」。

スイス借家人協会の法律アドバイザー、ルエディ・シュペントリンさんは、無料日刊紙の相談コラムで、夜間(と日曜日)における大原則は「部屋音量」だと答えています。つまり「同じ部屋にいる人しか聞こえない音量」で会話したり音楽を聴いたりしなければならず、ベランダなど屋外では「テーブルを挟んだ距離でしか聞こえない音量」となります。

それに加えて、個々の賃貸契約書で(喫煙事項など)特定の事柄を完全に禁止したり、禁止する時間帯を設けたりすることも可能です。ですから皆さん、賃貸契約書はしっかり目を通しましょうね!おそらく住居がある建物内にも特定の時間帯にしかできないことを定めたハウスルールがあります。

では質問の答えを順に。まずDeborahさん、音さえしなければ、日曜日にどんな掃除をしても大丈夫です。存分に床を掃いてください!そしてJoyceさん、洗濯機と乾燥機が自宅にあろうと、共同の洗濯室にあろうと、隣人の騒音となった時点でアウトです。

Anulaさん、答えは「汚い水」がどんな水なのかによります。前述したように、午後10時以降はどんな機械も使わないようにしましょう。トイレの水を流したり、さっとシャワーを浴びたりすることは許容範囲内ですが、この記事にもあるように、お風呂にお湯をためることはできないようです。

まずは常識的に考えてみると良いかもしれません。日曜日は休息の日として広く知られていますし、もし隣人が日曜日や深夜に掃除機をかけたり、洗濯をしたり、楽器を練習したり、芝生を刈ったりしたら嫌だと思うなら、あなたもそれをやらないのがベストです。結局はお互いに尊重しあう心が何よりも大事、ということです。

※この記事は特集「ファクトチェック」シリーズとして、読者からの投稿をもとに構成しています。スイスやスイス在住者に関するあなたの「もっと詳しく知りたい」をこちらのコメント欄から教えてください。

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