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インフルエンザの波

スイスでは毎年1000人から5000人がインフルエンザで入院、400人から1000人が死亡している。政府は予防接種を奨励 imagepoint

インフルエンザにかかって寝込む人が増えている。その数が今冬初めて、流行の指標となる数値を超えた。

最も多い感染患者は乳幼児。北スイスはまだ流行の波に飲まれていない。

北東部は大事なく

 連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) のウェブサイトによると、先週1週間で住民10万人につき79人がインフルエンザのため医師の診断を受けに行っており、流行の指標となる数値をわずかに超えた。今冬の数値は、住民10万人につき72人と定められている。

 最も多く感染が認められたのは4歳までの乳幼児で、10万人につき136人が受診。これに対し、65歳以上の高齢者は10万人につき17人のみだ。しかし、感染者数はすべての年齢層で増加の傾向にある。

  

 季節性インフルエンザがまだ流行に至っていないのはアールガウ州、ソロトゥルン州、バーゼル・シュタットおよびバーゼル・ラントの両準州、スイス北部に位置するチューリヒ州、シャフハウゼン州、トゥールガウ州、ザンクトガレン州、アッペンツェル・インナーローデンおよびアッペンツェル・アウサーローデンの両準州。スイスではおよそ200の医院が毎週、インフルエンザや類似の患者数を保健局に報告している。

兵舎で集団感染

 12月20日の保険局の発表では、3人に2人が新型インフルエンザ ( A/H1N1 ) に感染していることが分かった。6日から12日まで全国インフルエンザセンターで無差別に17件を調べたところ、3件にインフルエンザのウイルスが確認された。このうち1件がB型、2件が2009年に流行したA/H1N1型だった。

 12月中旬には、アッペンツェル・アウサーローデン州の兵舎で初年兵の訓練を受けていた若者のうち66人にA/H1N1型インフルエンザが確認された。大半は軽い症状が現れたのみで、まもなく回復した。

冬に流行するインフルエンザにはA型とB型があり、ウイルスが気道に感染する。

2009年に世界的に流行したH1N1型ウイルスも、現在は季節性ウイルスと見なされている。

インフルエンザの症状は、高熱、筋肉や関節の痛み、頭痛、喉の痛みなど。

連邦政府は最も効き目のある予防策として予防接種を奨励している。世界保健機関 ( WHO ) は毎年2月、予防接種に使用するワクチン3種を定める。2010/2011年はA/H1N1型 ( 新型インフルエンザ ) 、A/H3N2亜型 ( 香港型 ) 、B型の混合。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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