小児性愛セラピーセンターの目的は、小児性愛者にカウンセリングを施し性犯罪を未然に防ぐことだ
Keystone / Sascha Steinbach
チューリヒ州は4日、小児性愛者による性犯罪防止を目的としたスイス初の無料セラピーセンターを開設すると発表した。
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ大学病院の法医学・精神医学クリニックが同センターの設置を担当する。25万フラン(約3千万円)の資金援助を受け、まずは3年間、試験的に運営する。
同州の保険局長を務めるナタリー・リクリ氏はセンターの開設に関し「子供たちをしっかりと保護し、小児性愛の傾向を持つ人々が加害者になるのを防ぎたい」と述べた。
独語圏のスイス公共放送SRFによると外部リンク、スイス国内で小児性愛の傾向を持つ人は推定3万人で、その約半数はチューリヒ州の圏内にいるという。
同センターのプロジェクトは、15年前に開設した独ベルリンのセラピーセンターをモデルにしている。治療に参加した人が性犯罪の加害者になる割合を2%に抑える効果が期待できるという。
スイス政府は昨秋、各州に対し、小児性愛者の犯罪防止を目的とした取り組みの立案を求めた。チューリヒのセラピーセンターは民間と協力して、この問題に取り組むセラピストのネットワーク形成を目指す。
スイスの児童保護機関は昨年、小児性愛の問題を各州に任せるのではなく、より協調した国家戦略をとるべきだと訴えた。
同機関のレグラ・ベルンハルト・フグ報道官はSRFに対し「近隣諸国は協力体制を強化しているが、ここ(スイス)ではますます州に委ねられている」とし、「これは国際的な現象。国家的な戦略が必要だ」と語った。
スイスの有権者は2014年、子供への性的虐待で有罪判決を受けた人が再度、子供と関わる仕事に就くことを生涯禁止するイニシアチブを可決している。
おすすめの記事
ジュネーブ国連職員約500人が予算削減に反対するデモ
このコンテンツが公開されたのは、
メーデーの1日、ジュネーブで国連欧州本部職員500人近くが国連の緊縮財政に反対する異例のデモ活動を実施した。
もっと読む ジュネーブ国連職員約500人が予算削減に反対するデモ
おすすめの記事
バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
このコンテンツが公開されたのは、
5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。
もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
おすすめの記事
ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
このコンテンツが公開されたのは、
第78回ロカルノ国際映画祭で、香港出身の俳優ジャッキー・チェンさん(71)に生涯功労賞である「名誉豹賞」が贈られることが決まった。
もっと読む ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
おすすめの記事
グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
このコンテンツが公開されたのは、
動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。
もっと読む グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
続きを読む
おすすめの記事
スイスに逃亡の児童性虐待犯 処罰はどうなる
このコンテンツが公開されたのは、
インドで20年前、児童への性的虐待の罪で有罪判決を受けた夫婦が、保釈中にスイスに逃亡した。国境を越える司法手続きが複雑なため、彼らは再び裁きを免れる可能性がある。
もっと読む スイスに逃亡の児童性虐待犯 処罰はどうなる
おすすめの記事
スイスのネット児童ポルノが増加
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで児童ポルノの疑いがあるケースが増え続けていることに対し、児童虐待に取り組むNGOが懸念を表明した。
もっと読む スイスのネット児童ポルノが増加
おすすめの記事
教育現場の性暴力 約100人の教師がブラックリストに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスには教師のブラックリストが存在する。現在リストに載っている95人の多くは性犯罪を理由に教員免許を取り上げられた小学校の教師だ。しかし、すべての州が問題のある教師を報告しているわけではない。
もっと読む 教育現場の性暴力 約100人の教師がブラックリストに
おすすめの記事
性的虐待者の再就職禁止を スイス国民投票
このコンテンツが公開されたのは、
このイニシアチブは、主に右派の国民党と中道派のキリスト教民主党に支持されてきた。内容は、「子ども、もしくは障がい者に対するわいせつ行為で有罪判決を受けた人は、未成年者や障がい者と関わる可能性のある一切の職業およびボラン…
もっと読む 性的虐待者の再就職禁止を スイス国民投票
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。