スイスは1日、建国記念日を迎えた。アラン・ベルセ連邦大統領が記念式典で祝辞を述べたほか、各地で祝賀イベントがあった。ただ今年は乾燥した天気の影響で、恒例の花火大会は一部の地域で取りやめた。
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ベルセ大統領はこの日、スイス連邦の生誕地リュトリの丘で行われた記念式典に出席し、約1300人を前に祝辞を述べた。ルツェルン湖のほとりにあるリュトリの丘は1291年8月1日、ウーリ、ウンターヴァルデン(現在のオプヴァルデン・ニトヴァルデン準州)、シュヴィーツの三つの州の代表が同盟の誓いを交わし、スイス連邦が出来た場所だ。
ベルセ大統領はスピーチの中で、スイスの成功は「歩み寄り」のおかげだと強調。「スイスの連邦憲法は片方が勝利すればもう片方が負けるとはうたっていない。良い歩み寄りは最大公約数を見つけるよりも強力だ」と述べ、分極化が進むこの時代においては、この「歩み寄り」が非常に大事だと述べた。
内務相でもあるベルセ大統領は財源不足が深刻な老齢・遺族年金(AHV)、医療・健康問題などに触れ、これらの問題を解決する鍵もまた「歩み寄り」だと強調。また教育や労働市場において、すべての人が等しく機会を享受することが国の経済力を支えるためには不可欠だと述べた。
ベルセ大統領のほかシモネッタ・ソマルーガ司法警察相ら閣僚は31、1日の2日間、各地の祝賀イベントに出席。全国約360カ所の農場で行われた朝食会にも招かれた。主催の農業団体は参加者が約15万人に上ると見ていた。
ベルンにある連邦議事堂も一般公開された。
一方、熱波の影響でスイスは猛暑と極度に乾燥した天気が続いている。このため多くの州では屋外または森での花火・火気の使用を禁止し、ツェルマットなど一部地域では8月1日恒例の花火大会を中止した。
ただバーゼルでは公式の花火大会を予定通り開催。31日夜、ライン川の空に大きな花火が上がり、約12万人が夏の風物詩を楽しんだ。
31日夜から1日朝にかけての気温は、低地帯では20度を下回らなかった。アルプス地域などでは雷雨があり、1日はわずかに気温が下がった。
スイス東部では小規模な火災があり、消防隊が出動。禁止令を知らずに屋外で火気を使用したことが原因とみられる。
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