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スイスの人気建築家ヘルツォ—ク&ド・ムーロン展、開催中

ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した2008年北京オリンピック競技場の模型は展覧会で展示されている。 Herzog & de Meuron

昨年、東京都港区の表参道に誕生したプラダ・ブティック青山店を設計したことでも知られるスイスの建築家、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロン両氏がこれまで設計してきた模型を集め、北スイスのバーゼルで展覧会を開いている。9月12日まで開催予定だ。

展覧会場は二人が設計したアート発信基地「ショーラガー」。干し草を積み上げたような茶色の壁でできた四角形の建物が特徴だ。

ユニット結成

 ヘルツォーク氏とド・ムーロン氏は、1950年生まれの同い年。生まれた場所もバーゼルと同じ。ともにチューリヒ連邦工科大学で建築学を学び、78年にバーゼルで二人の建築事務所を設立した。

 地元では、二人がデザインしたマンションやオフィスビル、研究所などを街のあちこちで見ることができる。独特な外装デザインが特徴だ。90年代中頃から海外でも注目を浴びる。

 二人は、ロンドンのテムズ川南岸再開発プロジェクトの一環で行われたテート・モダン美術館建築のコンペティションで優勝。有名建築家の仲間入りをした。この美術館は、閉鎖され放置されたままの火力発電所を改修したもので、年間に訪れる入館者数は世界最多の一つ。地域の活性化に貢献している。

 ヘルツォーク&ド・ムーロン社は世界各国のプラダショップも担当する。

 昨年オープンしたプラダ・ブティック青山店は、ひし形のガラスを積み重ねてできたデザインで、外から見るとクリスタルのようだ。ビルの外観や内観を見るためだけに来店するお客さんも少なくないという。店内で写真を撮ることは禁じられているものの、ビルの写真を通りから撮る人も今だに多い。

変わりつづけて

 今回の展覧会には「No. 250」という題がついている。「僕達がこれまで手がけてきたプロジェクトには全て番号が付いていてね」とヘルツォーク氏は笑いながら説明する。今回の展覧会は250番目のプロジェクトに当たるという。

 展覧会には、2008年に開催される北京オリンピック競技場の模型も展示されている。二人がコンペティションで獲得したもので、プロジェクト番号226と付けられている。

 「これまでやってきた25年間を振り返ると、僕達の作品もずいぶんと変わった。でもそれは当たり前のことだよね。世界も常に変わっているんだから」とヘルツォーク氏は話している。


 スイス国際放送  アリアン・ギジョン・ボーマン   安達聡子(あだちさとこ)

ヘルツォーク&ド・ムーロン展、バーゼルの「ショーラガー」で9月12日まで開催中。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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