The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

プラタナス
Keystone-SDA

スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

おすすめの記事

スイス連邦森林・雪氷・景観研究所(WSL)が23日発表した研究結果によると、プラタナスは、気温が39℃を超える猛暑の中でも葉の表面から水分を蒸発させ周辺の気温上昇を和らげる。葉の温度が30~35℃を超えると葉は気孔を閉じて水分損失を抑制し、光合成に必要な二酸化炭素(CO₂)の取り込みを抑える。

おすすめの記事

WSLとスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは2023年夏、プラタナスは熱ストレスにさらされるとどのように反応するかを調べた。研究対象となったジュネーブ郊外のプラタナス8本は、猛暑でも樹幹の水分量は減少せず、むしろ気温が上昇するにつれて水分の蒸発量は増加した。

研究を率いるクリストフ・バッハオーフェン氏は声明で、「樹木が極限環境下でどう反応するかは、まだ完全に解明されていないのは明らかだ」と述べた。また、研究論文が掲載された「Urban Forestry & Urban Greening(都市林業と都市緑化)」誌で、熱波における都市部の樹木の実際の冷却効果が大幅に過小評価されている可能性を指摘した。

英語からの翻訳・編集:大野瑠衣子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部