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アッペンツェルで神を讃える

花は描かないが「花も好きです」と松林さん。秋が深くなっても自宅の窓には、ペチュニアの花がカラフルに咲いていた

(swissinfo.ch)

画集『アッペンツェーラーランド』に見出すことができるセンティス山と針葉樹に囲まれ、また、その風景にすっかり溶け込んでたたずむ古い農家を改築した家に、画家の松林幸二郎さん ( 59歳 ) は、夫人のハイディさんと住む。 20代に世界50カ国を放浪し続けた末に行き着いた場所は、スイス東部にあるトイフェンという小村だった。

 細部まで描きぬいたモノクロの作風が、まるっきり写真のようだという感想をもらうという松林さんのリトグラフィーには、人間、動物、花が一切描かれていない。「一過性のものは、自分の美意識で整理して、結局見えなくなってしまう」からだ。しかし「描かれたアッペンツェルの家に、人が住んでいることを感じて欲しい」とも言う。

 松林さんには芸術家としての顔と、福祉に携わる作業療法士としての顔の2つがある。若い頃に自分を「ふがいない、役立たずの人間だと思った」という松林さんにとって、この2つは「神から授かった賜物」である。画家としての創造的活動も、重度の身体障害者の作業を手伝う仕事も、神を讃えることが目的。松林さんの生活のすべてが神なしでは語れない。キリスト教には旅で出会った現在の夫人、ハイディさんを通して触れた。
 
 団塊の世代の松林さんは、最近のグローバル化を「効率ばかりがうたわれる、アメリカの哲学」と断言する。「結果第一主義で、障害を持った人は取り残されるばかりだ」と言う。障害を持つ人を収入と結びつけ「キャピタル」と呼ぶような施設には愛想を尽かした。今年からは、共同生活をする7人の障害者の生活援助を仕事としている。

 東スイスに住む日本人たちに向けた会報を毎月発行する中、年末からは村のパン屋で作品を展示する。季節に応じて3カ月ごとに作品を入れ替える企画で、今回は新しく、絵に淡い色を乗せる試みもあるという。

swissinfo、 聞き手 佐藤夕美 ( さとうゆうみ ) トイフェン ( スイス東部 ) にて

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