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ギリシャがスイス考古学研究チームを称える

- エリトリアの古代劇場はスイス考古学チームとピエール・デュクレ教授によって発見された

(swissinfo.ch)

ギリシャで活動している古代ギリシャ遺跡を研究する多くの外国考古学チームがいる。ギリシャ当局が今回、初めてこれら17カ国の研究チームを称えるためにアテネの音楽堂で展示を開いて、彼らの研究活動を紹介した。

スイスの考古学チームは1964年から現地で研究を続け、これまでにも多くのたぐいない発見と16冊以上の研究出版がなされたが、ギリシャ政府がこれらの活動を称えるのは初めてだ。

 ギリシャにおけるスイス考古学研究所の所長、ピエール・デュクレ教授は「はっきりいって、驚いています。これまではどちらかというと、ギリシャ政府は私たちにあまり協力的とは言えなかったのですが。新しい方針として、外国チームの研究を認めたということは嬉しいことです」と感想を述べた。

エレトリアはスイスに

 それでも、スイスの考古学研究チームに先に声をかけたのはギリシャ政府の方だった。当時、アッティカに近いエウボイア島中部西岸のエレトリアの遺跡は観光産業の建設工事により遺跡が崩壊される危機にひんしていた。ギリシャ政府にこれを発掘する予算がなかったため、スイスチームに任されることになった。当時、スイスチームはフランスチームと共同で研究をしていたため、スイスチームだけが担当する遺跡は持っていなかった。

 「大変、運がよかったのです」と当時を振り返るデュクレ教授。「発掘を始めるや否や目覚しい発見をしたのです。素晴らしい墓など研究するものはいくらでもありました。劇場や民家、墓などを含む古代の街跡も見つけ、6世紀のアポロン神殿も出てきたのです」

 スイスの考古学者、シルヴァン・フシャール氏が紀元前4世紀にさかのぼる街の要塞を発見した。この発見は哲学者のメネデモスや画家のフィロクセノスなどを誇ったエレトリアの街がギリシャ法や民主制を誇るポリスとして栄えたことを事実として裏付けることになった。

 ファシャール教授は「エレトリアは現在のシリアやレバノンなどとの通商の要地だったために栄えたのです。紀元前750年にフェニキアのアルファベットを始めてヨーロッパに持ち込んだのも彼らなのです」と息を荒く話す。

アスクレピオス神殿はどこに?

 しかし、スイスチームが発見していない古代ギリシャの謎はまだまだある。スイスの考古学者たちは今も医者の神であるアスクレピオス神殿(Askelepios)を根気強く、探し続けている。「我々のどこか足元にあるのは分かっているのです。古代ギリシャの文献を見ればその存在があったことは確かです。このために、エレトリア遺跡の近くの土地を買ったのです」とデュクレ教授。

発掘の喜び

 ギリシャにおけるスイス考古学研究の40年は3つの時期に分かれる。第1期は1964年から1982年までで、アポロン神殿と美しい小石を使用したモザイクといった大発見があった。モザイクは紀元前360年ごろのもので、保存状態が非常に良いため、教科書によく載せられるほどだ。デュクレ教授はこのモザイクを発見した1977年8月16日のことを今でも鮮明に覚えている。朝の10時だった。「モザイクは地下2メートルに埋まっていた紀元前268年に火事で焼けてしまった民家の床に見つけたのです。だから、保存状態が異例なほど良いのです」と語る。

 「ゆっくり、ゆっくりと掘っていました。すると、他とは違う黒い底が見えてきました。まるで、ベールがめくれる瞬間のようでした。すぐに、小石だと分かりました。そして、水をかけたところ、まるで魔法のようでした。絵がだんだん、はっきりと見えてきました。ライオンが現れ、スフィンクスが出てきました。この時の感動は私の職歴のなかで最も大きいものでした」と振り返った。

 第2期は1982年から1995年までで、アポロン神殿の北にある生贄(いけにえ)を捧げる場所と城砦やギムナジウム(体操場)を突き止めた。第3期は1996年から2003年までで、モザイクが発見された周辺の発掘が続けられ、古代都市の手工業地帯が発見された。

エレトリアのガイド

 デュクレ教授はアテネオリンピックが行なわれた2004年の8月に『エレトリアのガイド』を出版した。これは、スイスチームの発見とともに、古代ギリシャ、エレトリアの当時の生活がどのようなものだったかを考察していて、大変興味深い。

 「もちろん、私達が発見したものは全てギリシャのものです。それでも、我々の発見したものの科学的立証や知識は我々のものです。スイスの学生や研究者がこちらに来て研究することができるのは重要なことです」


swissinfo、アテネにてアンジェリック・コロニス 屋山明乃(ややまあけの)意訳

補足情報

- ギリシャ
の文部省が開催する展示「ギリシャにおける外国考古学チームと160年の協力研究」はスイスを含めた17カ国のギリシャ考古学研究チームと50の遺跡を紹介する。

- 紹介されている遺跡はサモトラス、クレタ島、サモスやリンドスなど。

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アテネの音楽堂でギリシャ政府が外国の考古学チームに敬意を評し展示会を開催中。展示は1月8日まで。

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