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ゴットハート・トンネル、12月21日に再開

ゴットハート・トンネルの火災現場後、12月3日撮影 Keystone Archive

11人の犠牲者を出した10月24日の火災以来閉鎖されている欧州の南北を結ぶ貫アルプストンネル・ゴットハート・トンネルは、12月21日から一般車輌・大型車輌ともに再開されることになった。

モーリッツ・ロイエンベルガー運輸エネルギー環境相・大統領は10日連邦議会で、現在通行止めとなっているゴットハート・トンネルを12月21日から再開すると発表した。時間帯を決めての一方通行とし、トンネル内では車間距離150m厳守などの規制を設定した上で、一般車輌・大型車輌ともに通行を再開する。

連邦政府の決定に対し、同トンネルの管理責任者であるティチーノ州政府は、再開は早すぎると批判している。ティチーノ州は、事故後のゴットハート・トンネルの安全性や貫アルプス交通の根本的な問題はまだ解決されておらず、早急なトンネル再開は火災後に設置した専門家委員会の助言にも反するものだとし、連邦政府はトンネルの安全性の全責任を負う用意があるのかと糾弾している。

一方、ロイエンベルガー運輸相は、ゴットハート・トンネルが閉鎖されているため、例年は積雪のため11月から6月まで閉鎖されるゴットハート峠街道など山越えの各ルートを今年は限界まで閉めない事で合意しているが、これらの峠道は間もなく雪と氷に覆われ大変危険な状態になる。トンネル再開は、事故防止のためにやむを得ない。また、ゴットハートの代替えルート、サン=ベルナルディーノ・トンネルの交通渋滞緩和のためにも再開を急ぐ必要があると述べた。

スイスおよび欧州の南北を結ぶ幹線道路トンネルのゴットハート・トンネルは、10月24日トラック2台が衝突、炎上する事故からトンネル火災が発生、11人が死亡した。欧州の南北を結ぶ貫アルプス道路トンネルは、仏伊間のモンブランとフレジュス、スイスのゴットハートとサン=ベルナルディーノ、オーストリアのブレンナーの5カ所だが、現在モンブランとゴットハートの2大主要ルートが、いずれも火災事故(モンブランは99年3月)で閉鎖されており、残った3ルートでは連日大渋滞が起きている。ゴットハート・トンネルの通行量は1日平均19、000台だ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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