スイスのワクチン接種第1号はルツェルン州の老人ホームで暮らす91歳女性となった
Keystone / Urs Flueeler
スイスで23日、新型コロナウイルスの予防接種が始まった。
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのワクチン第1号はスイス中央部のルツェルン州で、老人ホームで暮らす91歳の女性に注射された。3週間以内にブースター(追加免疫)効果を得るため2回目の接種が必要だ。東部のアッペンツェル・インナーローデン準州でも23日の接種開始が予定されている。
投与されたのは米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したmRNA型ワクチン「コミルナティ(BNT162b2)」。19日に医薬品承認機関Swissmedicの承認を受け、22日に第1陣として10万7千本がスイスに到着した。スイス政府は7日に同ワクチン300万回分の受注契約を結んでいた。
コミルナティは摂氏マイナス70度で保管する必要がある。スイス到着後まず軍薬局に保管された後、最大5日間冷蔵庫に保管可能な州に配布された。これにより、一部の州は全国的なワクチン供給に先駆けて、高齢者や高リスク群を対象に投与を始められることになった。
全国的なワクチン接種は来年1月4日に始まる。スイス連邦保健庁が22日に発表した推進キャンペーンの概要によると、第1の目的は「重症化と死者を減らす」ことだ。同時に、ひっ迫している医療機関への負担軽減も狙う。保健庁は、予防接種は無料だが義務ではないと強調している。
Swissmedicは、米モデルナや英アストラゼネカ製のワクチンも審査している。スイス政府は850万人の人口に対し、コミルナティも含めて合計1580万回分のワクチンを確保済みだ。
おすすめの記事
スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
続きを読む
おすすめの記事
コロナワクチン 抵抗強いスイスでどう推進するか?
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスのワクチン開発が複数の企業で最終段階に入っている。次のステップは国民の大半を説得し、ワクチン接種に同意してもらうことだ。しかし予防接種への抵抗が世界で最も強い国の1つであるスイスでは、非常にハードルの高い問題になりそうだ。
もっと読む コロナワクチン 抵抗強いスイスでどう推進するか?
おすすめの記事
コロナワクチン義務付けへの反対運動が発足
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの予防接種(ワクチン)の開発が進む中、スイスでは接種を強制されない権利を保証するためのイニシアチブ(国民発議)が立ち上がった。
もっと読む コロナワクチン義務付けへの反対運動が発足
おすすめの記事
コロナワクチンの国際共同購入 スイスの参加、なぜ重要?
このコンテンツが公開されたのは、
世界保健機関(WHO)はこの夏、新型コロナウイルス感染症のワクチンを国際的に共同購入する枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を立ち上げた。スイスのコバックスへの参加は、なぜ重要なのだろうか?
もっと読む コロナワクチンの国際共同購入 スイスの参加、なぜ重要?
おすすめの記事
新型コロナ感染症 スイスとモデルナのワクチン取引が危険な理由
このコンテンツが公開されたのは、
スイスが米バイオテクノロジー企業モデルナにワクチンを予約注文した。国としてこういった動きは初めてのことだ。だが専門家は、新型コロナウイルスワクチンの公正な分配に対し、スイス政府の期待が薄いことの表れだと見る。
もっと読む 新型コロナ感染症 スイスとモデルナのワクチン取引が危険な理由
おすすめの記事
ワクチン開発はできるだけ迅速に、必要に応じてゆっくりと
このコンテンツが公開されたのは、
「秋にはワクチンができる?それは何かの誤解にちがいない。今秋に期待できるのは、第II相試験(フェーズII)の開始だ」と医薬品を認可・監督する政府機関スイスメディック外部リンクの広報担当ルーカス・ヤッギ氏は言う。 新薬の場…
もっと読む ワクチン開発はできるだけ迅速に、必要に応じてゆっくりと
おすすめの記事
連帯かビジネスか COVID-19治療薬をめぐるスイスのジレンマ
このコンテンツが公開されたのは、
医療イノベーションに投資し、それに対する報酬を得る。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、スイスは従来のビジネスモデルと世界的な連帯のジレンマに陥っている。
もっと読む 連帯かビジネスか COVID-19治療薬をめぐるスイスのジレンマ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。