スイス連邦政府は19日、医薬品承認機関Swissmedicが米製薬大手ファイザー・独ビオンテック開発の新型コロナウイルスワクチン使用を承認したと発表した。2回の接種が必要で、90%を超える効果があるという。
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ワクチンの名称は「Comirnaty® (BNT162b2)」で、ファイザー・ビオンテックが10月中旬に承認申請していた。Swissmedicは利用可能な臨床試験データに基づき、試験を実施したすべての年齢層において同程度に高いレベルの有効性があると判断した。
連邦政府の公式予防接種勧告に従うことを条件に、16歳以上であれば誰でも受けられる。Swissmedicは少なくとも21日以上の間隔をあけて2回接種することを推奨している。
Comirnaty® はメッセンジャーRNA(mRNA)型のワクチン。迅速な評価が可能なローリングレビューが行われた。同ワクチンは英国、カナダ、米国などで既に承認されている。
>>米ファイザー、スイスで新型コロナワクチン承認申請
スイスは、米ファイザー・独ビオンテックのほか、米モデルナ、アストラゼネカとそれぞれ契約を結んでいる。当局の承認が下りれば、3つのワクチンメーカーから1580万回分の供給を確保できる。Swissmedicは現在、ヤンセン・シラグ社のワクチンを審査中。
今月から接種
連邦政府はファイザー・ビオンテックに約300万回分のワクチンを発注した。連邦内務省保健庁は19日、最初の10万7千回分は数日以内に到着すると公表した。
ワクチンは軍医薬品局が摂氏マイナス70度で超低温保管し、その後各州に配布する。州ではワクチンを冷蔵庫で最大5日間保管できる。
ルツェルン州は23日から重症化リスクの高い65歳以上を対象に接種を開始する。バーゼル市は28日に開始する。全国的なワクチン接種は1月4日から始まる予定。
接種場所や人員配置は州の管轄となる。実施場所は医療施設や体育館、軍の施設などが挙げられる。連邦政府は、高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、高血圧患者など重症化リスクが高いグループ(推定200万人)を優先すべきだとしている。
次に優先されるのは医療従事者や高リスクグループの親族だ。政府は一般への広範な接種が可能になるのは2021年春ごろとの見通しを示した。
スイスでは6千人以上(人口850万人)が新型コロナウイルス感染症で死亡した。感染者は40万人を超える。
スイスの調査会社Marketagent.comが今月4~14日、独・仏語圏の1千人(14~74歳)を対象に行った調査によると、ワクチンをできるだけ早く受けたいと答えた人は全体の35%にとどまった。
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