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スイスポスト黒字に

郵便物の総数は減っている

(Keystone)

スイスポスト ( Swiss Post ) は3月23日、2006年の利益を前年より2600万フラン ( 約25億円 ) 増加し、8億3700万フラン ( 約810億円 ) になったと発表した。

全体に、配達される郵便物の数は減ったものの、この黒字に自信を得て今年の秋から実施される諸改革案も提示した。それはかなりの部分をIT化するものである。

 「長期間に渡る組織再編成の時期を経て、やっと結果がみえてきました」と喜ぶのはスイスポストの代表取締役会長、アントン・マント氏。今こそ長期に渡って継続できる改革を軌道にのせ、スイスポストの改革能力を示す時がきたという。またスイスポストの最高経営責任者ウルリッヒ・ギギ氏は、目指してきた組織再編成の目標が達成されつつあると言う。

慎重に

 スイスポストの業績発表の場で「スイスポストの貯蓄額を前年より6億8300万フラン ( 約660億円 ) 増やすことができました。まだ十分ではありませんが、これによって予定していた投資ができ、また年金公庫を強化し、さらに改革に伴うリストラなどを適切な形で処理できるようになりました」とギギ氏。

 しかし、郵便市場の自由化の結果を分析したレポートによれば、こうした急激な黒字は急に赤字に転じ得るという。この評価を真剣に受け止めギギ氏は「手放しで喜ばず慎重でありたい」と語った。

 また同レポートによれば、スイスの郵便事情の特殊性を十分考慮する必要があるという。スイスでは年間1人あたり700の郵便物を受け取っており、それは世界で最も郵便網が発達している国の1つに数えられる。サービスの質が高く、料金は比較的安いというのも特徴である。

今後の改革

 ところで、今後の改革の1つは「ビジネス・カスタマー・ソリューション ( Business Customer Solution ) 」と呼ばれるITを利用しての合理化である。

 4月4日からスタートするサインの電子化はこの改革の第1弾とも言える。これは郵便局に行ってサインを登録すると、USBキーをもらえ、それでサインが必要な不動産などへの手紙を書く時このキーが要求するパスワードで入って手紙をメールで送れるというもの。

 さらに、銀行や大手企業などの顧客相手の郵便サービスのIT化も、もう1つの大切な改革分野になる。

 またスイスポストは「健康カード」も将来の事業の1つに加えようとしている。これは、血液型などから、毎回医者にかかった際に受け取るあらゆるデータ ( レントゲン写真なども含む )のカード化である。

 「しかし、これには医療保険会社や、連邦政府、各州などの合意が必要で具体化にはしばらく時間がかかるでしょう」とスイスポストの広報担当、ロラン・ウィドメール氏。他国ではドイツが行おうとしているという。

swissinfo、 外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

〈スイスポスト〉

利益 : 8億3700万フラン ( 約810億円 )、2005年は8億1100万フラン

従業員 : 4万2178人、2005年は4万1073人

配達された郵便物の総数 : 2006年は2760億個、2005年は2810億個

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スイスポスト

現在のスイスポストは、1995年に連邦政府がPTT ( Poste Téléphone, Télégraph ) をスイスポスト ( Poste suisse ) と スイスの電話局で現在のスイスコム ( Swisscom ) に分離させたときに始まる。この分離は1998年から実施された。

2001年1月、スイスポストは始めての組織再編成案を提出。同案は全国の郵便局の数を3390から2500に削減し、それによって1億フラン ( 約968億円 ) の節約を想定した。

2003年5月、スイスポストは手紙の配送をセンター化する計画を発表した。それによると全国で3つの大型のセンターで仕分けすることで、2390人のリストラを予定した。

2006年5月、連邦政府は郵便市場の完全な自由化を検討した。

2006年12月15日、スイスポストは「イマゴ ( Ymago ) 」と呼ばれる組織再編成実施にリストラを回避することで組合と合意した。

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