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マリー・アントワネットの時計

ブレゲ社は3年前、マリー・アントワネットの時計と同時代の懐中時計「no5」のレプリカ製作に成功し、それが「no160」を造ろうという原動力になったという

(Montres Breuget SA)

世界最大の時計と宝飾の見本市「バーゼルワールド( Baselworld ) 」に展示された、売却予定のマリー・アントワネットの時計のレプリカは、4月11日の展示会終了後、芸術品として保管されることになった。

1783年に注文され44 年かけて製作されたオリジナルの方は、しかし、1793年に処刑された王妃の手に渡ることはなかった。

 この時計を製造したのは、世界最大級の時計グループ「スウォッチグループ( Swatchgroup ) 」に1999年来所属する、高級時計ブランド「ブレゲ ( Breguet ) 」だ。「3年前、再製造することに決めた。ゼロからのスタートで、1つのチャレンジだった」と同グループの会長にニコラス・G・ハイエック氏は説明した。

1人の将校からのミステリアスな注文

 スイスのヌーシャテル州の時計職人、アブラアム・ルイ・ブレゲは、1775年、パリにアトリエを開いた。ブレゲはその後、ナポレオンなど歴史的人物にも時計を製作する、有名時計ブランドに成長した。

 1783年、ブレゲは、今では名も明らかでない、マリー・アントワネットを尊敬する1人の将校から、懐中時計を王妃のプレゼントにと、ミステリアスな注文を受けた。「値段も期限も考慮せず、最高の技術を投入すること」というのが、その注文の趣旨だった。ブレゲとその継承者は、その後44年の歳月をかけ、結局1827年に完成。1789年に処刑された王妃がそれを使うことはなかった。

 その後、この時計はイスラエルの美術館に保管されだが、1983年に同館から盗まれ行方が分からなくなっていた。一方、ブレゲ社は3年前にハイエック氏と共に、コード番号「No.160」というこの時計のレプリカ製作を決定した。しかし、その作業は困難を極め、パリにあるブレゲ博物館資料庫での精密な調査からスタートしたという。

レプリカ、本物とも眺めることはできない

 こうして完成されたレプリカ時計は、63個の宝石がはめ込まれた18金でできた大型の懐中時計。クリスタルガラスの透明板を通して、内部の複雑な機構がみられるようになっている。

 レプリカ時計が収められている箱も、マリー・アントワネットが愛した、ベルサイユ宮殿内のカシの木でできている。これらカシの木が伐採された際、ハイエック氏がその買い取りを提案したが、フランス政府は無料で提供。ハイエック氏は、お返しにベルサイユ宮殿内のプチ・トリアノン宮の修復に5000万ユーロ ( 約75億円 ) を 贈ったという。

 ところで、この時計のレプリカ製作が終了した2007年末に、なんの因縁か本物も発見され、盗難にあったイスラエルの博物館が買い戻した。しかしその後、同博物館は展示をしないことに決定。同様にブレゲ社が製作したレプリカも本社の奥深くに収められることになった。ブレゲ社側は
「今のところ、このレプリカを売る予定はないし、ほかのレプリカを作る予定もない」
という。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

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