未成年犯罪増える
過去2年間で、10代以下の若年層による犯罪が増えていることが判明し、少年犯罪の予防・教育への取り組み方の再考が迫られている。
全国の一昨年の7才から18才の児童および10代による犯罪は、送検されたものだけで11、000件で、うち半分は薬物使用、3分の1は窃盗だった。フリブール州だけを見ると、2001年州内で起きた全犯罪の半数が7才から18才の子供および未成年者によるもので、2000年の約3分の1よりも大幅に増加した。フリブール州警察によると、口論から殴り合いに発展するケースが多いという。スイスでは未成年者の暴力犯罪は11%と少ないが、大人達の多くは未成年者の態度に恐怖を抱いていることがわかった。州警察青少年課によると、10代後半の一部を除き特別に非行が進んでいるとは思えないが、言葉遣いが乱暴になっていることは顕著で、特に少女達の言葉遣いが非常に乱暴になっているという。
フリブール大学のシャンタル教授(社会学)は、「人々が利己的になり、違う世代の人を尊重しなくなった。また、人々は、社会的基盤の無さや失業などでによる閉息感や不満を常にむき出しにしている。」と社会の変革に抵抗する10代や大人達に不満がつのっていることを指摘する。
フリブール州保護監察少年センターでも、世代間の会話がなく、自分が理解できないものを恐れる傾向があるのが問題だと指摘する。同センターでは、社会のシステム、仕事、学校からドロップアウトした若者達が、疎外感から暴力行為に走ると分析するが、当の10代の学生達は、「夜一人歩きしても危険を感じたことはない。フリブールは安全な町だ。」と、何も意識していない。
他の欧州諸国とくらべると、スイスの未成年者犯罪は少なく、繰返し補導される少年はまずいないという。が、10代の外国人犯罪が急増しており、フリブールなど複数の州ではスイス人の未成年犯罪の3倍にのぼるという。警察によると、外国人移民の未成年は、家族や教育の問題を抱え不安定な状態にあり、違法な行為へ関わっていくケースが多いという。
当局は、犯罪を犯した少年の更正や教育に両親の協力を得られないことが多いという。問題を起した子供の両親を警察に呼ぶと、「警察にうちの子供を教育する権利はない」と言われることがしばしばあるという。フリブール州では、先月、未成年犯罪撲滅政策を掲げたが、具体的な解決策は見出せなかったという。「犯罪を起した未成年者や子供に対し、対話をせずにただ叱りつけ威嚇するだけでは、子供達は尊重されていないと感じさらに反発する。十分はコミュニケーションがなければ、若者は厳しい規制はルールを尊重しない。」と、フリブール州警察少年課では犯罪予防と更正方法の模索を続けている。
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