ジュネーブで9月30日、「恥のTシャツ」に抗議する女子生徒たち。1人はフランス語で「私は適切な服装をしています」とプリントされたTシャツを着ている
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スイス西部・ヴォー州で、「不適切な服装」をしていた生徒に学校がぶかぶかのTシャツ着用を強制することが禁止された。生徒たちが「恥ティー」と呼んで強く抗議したためだ。
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ヴォー州教育・青年省は5日、「不適切な服装」で登校した生徒に対し学校側が特大Tシャツの着用を強制する慣行を禁止すると発表。州内のいくつかの学校でこうした慣行があり、「女生徒は汚名を着せられていると捉えている」(セスラ・アマレール局長)とした。
事の発端は隣のジュネーブ州での出来事だ。ある公立中学校で9月末、へその出るクロップトップシャツを着て登校した12人の女生徒(12~15歳)が、「適切な服装をしています!」とプリントされ膝まで覆う特大のTシャツを着るよう強制された。従わなければ重大な校則違反として自宅謹慎となり、成績に影響する可能性があった。
この措置に対し、女生徒らは「女子だけが服装を指導されるのは差別だ」として、校舎前でデモを行った。生徒らの親やフェミニスト団体の代表など約50人が参加した。生徒らは強制されたTシャツを「t-shirt de la honte(恥のTシャツ)」と呼んだ。
これを機に、周辺のヴォー州やヴァレー州でも同じような慣行があると明らかになり、激しい議論が起きた。
スイスで制服の着用義務があるのは一部の私立学校に限られる。ただし公立学校の多くには一定のドレスコード(服装規定)がある。
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