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パートタイム女性の勤務時間、どうすれば増やせる?

スイスはパートタイムで働く女性の割合が欧州で最も高い国の一つだ。必ずしも好き好んでパートタイムで働いているわけではなく、条件が許せば労働時間を増やしたいと考えていることが調査で分かった。

このコンテンツは 2020/06/02
スイスの女性の多くは子供を産んだ後、勤務時間を減らすことが多い © Keystone / Gaetan Bally

スイスの働く女性たちは現状に満足しているのだろうか?この問いに答えを出すため、女性団体「プロ・ファミリア」は3月、1人または複数の子供を持つ女性500人を抽出しアンケート調査他のサイトへを実施。先月24日に結果を発表した。

スイスの働き方

スイスでは正社員でもパートタイム勤務が可能。勤務時間はパーセンテージで表され、100%のフルタイムなら一般的に週40時間の週5日、パートタイムの80%なら週4日、60%なら3日働くというようなイメージだ。求人の時点で「職種名:60~100%」とパーセンテージが明記される場合が多い。

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調査で浮かび上がったのは、出産した女性にとって勤務時間を減らすのはほぼ「ノルマ」のようになっている、ということだ。回答者の4分の3以上が、勤務割合を減らしたのは子供を持ったためと答えた。働く母親がパートタイムを選ぶ動きは全国に広がっている。スイス連邦統計局他のサイトへによると、6割を超える家庭がこうした勤務形態をとっている。

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スイスの働く女性の割合は欧州でも高い方だが、パートタイムで働く女性の割合はオランダに次いで高い。

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勤務割合を増やしたい女性は7割

プロ・ファミリアのアンケートに回答した女性の3分の2は現状に満足している。5人に1人は勤務時間をさらに減らしたいと考え、増やしたいと考える人はわずか17%だった。

一方、仕事と育児を両立する全ての前提条件がそろえば勤務時間を増やしたい、と考える女性は7割にのぼった。特に学歴の高い女性ほどこうした傾向が強い。希望としては最大80%(週4日)勤務で、フルタイムで働きたい女性は限定的だった。

では具体的にどのような条件があればもっと働けるのか?調査で浮かび上がったのは次の4点だ。①仕事の金銭的インセンティブ②保育料③在宅勤務が可能④家事・育児に費やす時間による負担を減らす。

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高額の保育料は何年も前から、働く女性にとって大きな障壁として認識されている。近年はいくつか対策も講じられてきたが、それでも女性が勤務時間を増やす価値がないほどお金がかかる。

統計局によると、世帯収入の4%が家庭外保育に費やされている。4歳未満の子供を保育園に預けると、世帯収入が上位3分の1の家庭では月1160フラン(約13万円)、下位3分の1の家庭では400フランかかる。

プロ・ファミリアのアンケートでは、家事と育児の負担が二重に女性に掛かっていることも分かった。子供のいる家庭では、従前と同じく家事の大半を母親が担っている。

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一般的に、伝統的な性による役割分担が色濃く残っているのは、スイスの家族政策が非介入的である結果とみられている。


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