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改革で打撃を受ける過疎地

利益が出る出ないにかかわらず、郵便配達屋は今日も行く Keystone Archive

スイスでも自由化や合理化の名の下に、過疎地で郵便局や病院が閉鎖される瀬戸際にある。連合組合はこのような状況に対し、激しい抵抗を展開している。

このコンテンツは 2006/10/08 15:26

基本的な公共サービスを過疎地にも提供するべきか否か、という論争が白熱しているなか、連邦統計局はどんぴしゃりのタイミングで報告書を発表した。

連邦統計局は、山岳地帯など、田舎に住む人々が都市と比べてどれほど不便な生活をしているかを調査した。1998年から2001年の間に調べられた報告書によると、かなりの差があるようだ。

田舎は何かと不便

普通、喫茶店やレストランのほうが病院より近いことがほとんどだ。スイスでは、人口の90%以上が最寄りのレストランまで1キロメートル足らずの所に住んでいる。一方、病院まで1キロメートルの所に住んでいるのは17%だ。

また、幼稚園や小学校、外科医院も比較的近い所にあるケースがほとんどだ。しかし、薬局となると、ちょっと遠くなる。平均して2キロメートル以上離れた場所にある場合が多い。

過疎の地域では、都市と比べ、このようなサービスが受けにくくなる。生活必要品でさえ、簡単に手に入らないことも多い。田舎に住む人々にとって、1番近い食料品店は都市に住む人々に比べ、3倍 も遠い。距離にして830メートル 、これをお年寄りが雨の日に山道を行くのは大変なことだろう。 レストランに行くにも2倍の距離がある。しかし、郵便局までは1.5倍の距離で済む。

統計局によると、1998年から2001年までの3年間で、田舎に住む人にとって、最も近い食料品店に行くまでの距離は長くなった。この期間、過疎地では多くの店がつぶれたからだ。

自由化の波

この3年間で、託児所や映画館までの距離は、過疎の村でもだいぶ改善した。ほとんどの人が1キロメートル足らずで行けるようになったのだ。反対に銀行や郵便局までは、多くの支社や支局が閉鎖されたため、距離が伸びて不便になった。映画館がなくても生活に支障はないが、郵便局や銀行がないとお金もおろせない。

過疎地域における公共機関の閉鎖は、政治的に大きな論争の的となっている。ビジネス界を代表するエコノミースイス ( Economiesuisse ) は、郵便サービスの自由化を支持しているが、連合組合は「スイス郵便局は、全国どこでも同じサービスを提供し続けるべきだ」と主張している。

「自由化」の波はスイスにも押し寄せており、連合組合はこの流れに警戒感を強めている。最も深刻な打撃を受けるのは過疎地だ。郵便局によっては、生き残りをかけて今までになかったサービスを始めるところもあるが、一方で郵便配達人を時々にしか拝むことのできない村もある。

保健サービスの合理化といくつかの病院の閉鎖も、同じように強い抵抗にあっている。しかし、医療福祉の経費がかさんでいることや、医療保険費が高額になってきていることから、郵便局の閉鎖ほどは激しい逆風にあっていない。

swissinfo、外電 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳

スイスの郵便システムにおける議論

2004年の国民投票で、全国の郵便システムの改革を遅らせる法案が否決された。

連合組合が出したイニシアチブとスイスの郵便システムの改革に反対する消費者グループの主張に対し、政府、議会、そして中道左派の社会民主党以外の主要政党は、反対の姿勢をとっていた。

全国の郵便局は、国民に対し、資金や人材の削減は避けられないとしても、過疎の山岳地帯などへの郵便ネットワークは今の状態を保つべきだと訴えていた。

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