スイスでは自殺ほう助が合法化されている
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オーストラリアに住む104歳の科学者デビッド・グドール氏が今月にも、安楽死を求めてスイスへ来ることが分かった。AFP通信などが報じた。
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グドール氏は不治の病に冒されているわけではないが、生活の質が低下していることなどを理由に安楽死を希望したという。
オーストラリアにある自殺ほう助推進団体「エグジット・インターナショナル外部リンク」によると、グドール氏は104歳の誕生日を控えた先月初め、スイス・バーゼルにある自殺ほう助団体「ライフサークル」のサービスを受けるつもりであると公表。グドール氏はエグジット・インターナショナルで最も会員歴が長く、これまでも同団体のワークショップなどに精力的に参加していたという。今月上旬にもバーゼルに向けて出発するとみられる。
グドール氏は豪ABC外部リンク放送に対し「残りの人生をどう使おうが個人の自由。本人が自殺すると決めたのなら、他人が干渉するべきではない」として、高齢者が自殺ほう助を選択できるようにするべきだと語った。
グドール氏は英ロンドン出身の生態学者。2016年、名誉研究員を務めていた豪西部パースのエディスコーワン大学から退職を勧告されたことをめぐり、国内外で大きな議論を呼んだ。
スイスでは自殺ほう助が合法化されている。このため、不治の病や高齢を理由に、国外から安楽死を求めてスイスに来る人たちも多い。
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スイスは自殺ほう助の先進国だ。年老いた人が自殺する権利は事実上規制されておらず、外国人が安楽死を求めてスイスを訪れる「自殺ツーリズム」がブームになっている。このリベラルな現状を見ると、スイスでは自殺ほう助が肯定的に受け止められているような錯覚に陥るが、実際は違う。自殺ほう助は政治や宗教、社会通念や倫理などといった価値観との戦いの連続だ。たとえ差し迫った状況にあるからといって、人の命をどうするか、そもそも問うていいものなのか。自殺ツーリズムを法で規制するか否かの議論はいまだ消えることはない。
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