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銀行の給与体系に制限

Keystone

スイスの金融監督局は6月3日、金融機関の給与システムを明確に定めることを要求する文書を公開し、給与体系を厳しく制限したい意向を明らかにした。

金融監督局 ( Finma ) は、来年1月から各銀行で実施するよう求めているが、スイス大手銀行のUBSについては年内に基本的な点については従うようにと要求している。この文書に対し各銀行は対応意見を提出するよう求められている。

リスク回避と責任

 金融監督局の意向は「給与体系が異常に高いリスクを導き、金融機関の経営の安定を脅かすことがないようにするためにある」という。成功報酬としてのボーナスについては「すべてのコストを考慮した上での、長期的で、持続可能な経済利益をもたらした場合」に与えられると定義している。
 
 さらに経営陣に向けて、社内の給与政策においてより重い責任を課し、給与の明細を公開することを義務付けている。この文書に対する銀行の意見提出は8月14日まで。

各界の反応

 金融監督局の文書内容を経済界は、好感をもって受け止めている。特に給与の上限を定めなかったことを評価した。一方、労働組合は給与の最高金額を定めるよう要求している。

 スイスの経済連合「エコノミースイス ( Economiesuisse ) 」はこれを「基本原則に従ったもの」として評価した。
「提示された要求の基本原則を実行するための実践手段は、各銀行に任されている」 
 と、競争と規制問題担当部長のウルス・フーラー氏は語り、基本方針の目的は、リスクを念頭に置いた上での、長期的に魅力のある給与体系を構築する方向を位置付けると称賛している。特に給与の上限が定められていないことを歓迎した。

 一方スイス労働組合 ( SGB ) はこれを「飾り物」と激しく非難した。必要なのは年俸50万フラン ( 約4500万円 ) を上限とする厳しい措置で、成功報酬にブレーキをかけることだという。

 「成功報酬が、金融危機を招いたことは認める。しかし、それでだけではない」
 と語るのは、スイス銀行協会の広報担当、トマス・ズッター氏。金融危機の原因については、調整機関、政治、レーティング会社の責任も詳細にわたって見る必要があると言う。

swissinfo.ch、外電

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