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電気自動車への関心、スピードアップ

1月にベルリンのブランデンブルグ門の前でマインドセット社の電気自動車を披露するパオロ・トゥミネリ氏

(Keystone)

アメリカの自動車産業が経営危機にあえぐ一方、電気自動車の製造を手掛けるスイス企業は上向きの見通しを伝える。

ルツェルンに基盤を置く「マインドセット 社 ( Mindset ) 」は、1年半以内にスイス初のハイブリッド車を発表する予定だ。またヴォー ( Vaud ) 州に位置する「ヌメキシ 社 ( Numexia ) 」は1月に配達輸送用の電気トラックの試作品を発表した。

電動自転車も大好調

 電動自転車の需要が上昇中だ。ベルンに基盤を置く「バイクテック社 ( BikeTec ) 」の広報担当者は、電動自転車「フライヤー ( Flyer ) 」のおかげで、売上が過去3年間連続で倍増し急速に伸びたと語る。同社は生産を4倍に拡大するため、今年の夏大規模な工場へ移転する予定だ。

 バイクテックは、1台3000フラン代 ( 約23万7000円 ) から始まる電動自転車を現在年間約1万3000台製造しており、同社のアンディ・バウムガートナー氏は、
「確信があります。こういう時にはわが社の自転車に目をとめる人が増えると思います」
 と語った。

 2008年の販売不振で146億ドル ( 約1兆3335億円 ) の損失を先週発表したフォードなど、経済危機はアメリカの大手自動車メーカーを大混乱に陥れた。クライスラーやジェネラルモーターズは、生き残りをかけて134億ドル ( 約1兆2333億円    円 ) の政府融資を請わなければならなかった。

 「1年半前に開発を開始した時は、今日のような状況を想像できませんでした。今このビジネスを始めるのは良いタイミングではないと思う人もいるでしょう」
 とマインドセットのパオロ・トゥミネリ氏は言う。

新しいマインドセット

 しかし1つの産業の後退はほかの産業の発展を意味することもある。スイス中央部にあるルツェルン湖の湖畔のボートハウスで働いているマインドセットのエンジニアは、ほとんどリチウム・イオン電池のみで走る車を製造した。リチウム・イオン電池は燃費の効率と車の性能のバランスをうまく取ることができる。

 同社の電気自動車もまた「マインドセット」と名付けられており、空気力学に沿ったなめらかなボディと幅の狭い大きな車輪が特徴だ。7秒間で時速0から100キロまで加速でき、最高速度は時速140キロだ。1回の充電で可能な走行距離は最長200キロメートルで、「燃料補給」には現在の電気料金で換算すると約4フラン ( 約317 円 ) しかかからない。

 「従来にはなかった車に興味を持つ人がどんどん増えているというところまで来ています。地球温暖化を解決する車を製造できたらよいのですが、残念ながら私たちが製造している車はそうではありません。しかし小さな貢献を果たすことはできます」
 とテュネリ氏は語った。

 マインドセットはトヨタの「プリウス」のようなハイブリッド車とは全く正反対の車だ。プリウスは、燃料電池のサポートで稼動する燃焼エンジンを特徴とするが、マインドセットは電気エンジンが主体だ。小さな燃焼エンジンが発電機として機能し、電気エンジンの出力を上げることによって走る。
 
 トゥミネリ氏は2010年に4人乗りのマインドセットを7万5000フラン ( 約594万円 ) で発売することを考えていると言う。しかし、今後5年間に5万台を製造するためには、合計2億フラン ( 約158億4700万円) の資金を出してくれる投資家が必要だ。
「今までのところ非常に良い反応がありました。過去110年間、同じような車ばかり見てきた人びとは飽きているのではないかと思います」
 と運転可能な試作品をミュンヘンまで持っていったトゥミネリ氏は語った。

街中のロジスティックス車両

 電気自動車は商業運送にもプラスになる。1月29日にヴォー州のエシャレン( Echallens ) 市に位置する電気モーター製造企業「ヌメキシ(Numexia)」が、「電力で走る物流管理車両」の試作品を発表した。

 ルノーの「マキシティ( Maxity )」を改造した3.5トンの配達トラックは、1台の電気モーターだけで時速110キロを出すことができ、約100キロメートルの走行が可能だ。

 燃料電池、電気トルクモーター、そして補助用発電機という同社のテクノロジーは、街中で走っている標準的な配達用車両ならどれにでも据え付けることができるという。燃料電池には相当な重量があるが、もとのモデルの最大積載量とほぼ同じ重量を載せることができるとヌメキシの会長ジャン・マリー・ファン・アッペルクハイム 氏は語る。

 しかも、燃料電池を電気プラグにつないで充電する必要はない。磁石の働きで電力を生産し、消耗した電力を回復させることのできるシステムを開発した。ファン・アッペルクハイム氏は、この技術に興味を示している企業がすでに数社存在すると言う。
「2010年までに1台かそれ以上の電気自動車が輸送を開始できるようになるはずです」

swissinfo、ティム・ネヴィル 笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳

ボンネットの下

「マインドセット社 ( Mindset ) 」の車は、燃費の効率を損なわないよう特別な性能基準をもとにデザインされている。エンジニアは、走行時の摩擦を減らすためにタイヤの幅を狭くし車体を軽くした。車は高速で運転している間、安定性が低下するため、タイヤの幅が狭いマインドセットの最高制限速度を時速140キロに制限する必要があった。

広報担当のパオロ・トゥミネリ氏は、実際のところマインドセットは時速200キロ近いスピードを出せると言う。また発電機を1台追加すれば、充電しなくても最高800キロメートルの走行距離が出せると言う。

マインドセットにはギアボックスが無く、車の床面が平らになるため広く感じる。クールなデザインの計器パネルディスプレイで、前進と後退を操作するボタンが1つ付いている。

トゥミネリ氏によると、マインドセット社は今後5年間で1万台を製造するために2億フラン( 約158億4700万円 ) の資金があれば理想的だと言う。

しかし製品の早期販売のために製造台数を抑え、希望より少ない投資額を選択することも考慮している。また同氏は、販売が間に合わないため、ジュネーブで開催される今年のモーターショーには展示しないと述べた。特殊な車の製造に特化したフランスの「ユリー社 ( Heuliez ) 」がマインドセットの製造を請け負う。

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