The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

飼育員がアムールトラに襲われ死亡 スイスの動物園

tiger area
トラの観覧エリアを除き、チューリヒ動物園は6日に再開した。 Keystone / Ennio Leanza

チューリヒ動物園で4日、飼育員がアムールトラに襲われて死亡した。園は、襲ったトラを殺処分しない考えを明らかにした。

4日午後1時20分ころ、55歳のベテラン女性職員が、園で飼育中のアムールトラ2頭のうちの1頭「イリーナ」(メス・5歳)に襲われた。目撃した来園者が通報し、複数の警備員が直ちにトラを隔離した。飼育員には迅速な医療支援が施されたが、現場で死亡が確認された。

チューリヒ市警察は5日、事故死として調査を進めていると発表した。事件発生当時の状況はまだ明らかになっていない。園のトラは人と直接接触することなく飼育されているため、原則として、人とトラが同じ空間にいることはない。何らかの原因で鉢合わせした際、縄張りへの侵入者とみてトラが飼育員を攻撃したとみられる。

園は事故を受け、翌日に臨時休園した。園長は「4日に起こった事件は悲劇的だが、アムールトラは本能的に領域を守る野生動物だ」と話し、イリーナを今後も園で飼育する意を示した。

動物園はトラの観覧エリアを除き、6日から営業を再開した。 事故現場では調査が続いている。

チューリッヒ動物園で動物の襲撃事件が起きるのは今回が初めてではない。2019年12月には、雄のフィリピンワニが囲いの定期清掃作業中だった飼育員の腕をつかんだ。飼育員は負傷して手術を受け、ワニは銃殺された。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部