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高齢層および若年層の給与は低い

30歳以下の労働者は56歳以上の労働者と同様、低賃金 Keystone

産業部門の給与は他の部門の給与より高額。また高齢層と若年層の給与は増額しないままか、減額の傾向にある。

また男女間の給与格差は開いたまま。

 以上がチューリヒの「スイス労働者連盟」が行った調査の主な結果である。同調査によれば、金属、電気、機械産業部門 ( MEM産業 ) の平均月収は7577スイスフラン ( 約71万円 )。これは年収10万スイスフラン ( 約940万円 ) に近く、かなりよい給与と考えられる。ちなみに、連邦統計局 ( BFS/OFS ) によると、全部門を含めた平均年収は7万4200スイスフラン ( 約690万円 )。( 本記事中の月収、年収は、税金などが引かれない総収入 )

化学、医薬品産業の給与

 化学、医薬品産業の給与はMEM産業より、さらに高額で、平均年収10万5000スイスフフン ( 約984万円 ) 、平均月収8077スイスフラン ( 約76万円 ) である。これに、株の配当金などのボーナスが年間5300スイスフラン ( 約50万円 ) 加わる。

 化学、医薬品産業及びMEM産業の給与が高いのは、これらの分野では、高いポストに就いている人の割合が多いからだという。

高齢層、若年層そして女性の低い給与

 MEM産業での中堅幹部の平均月収は9769スイスフラン ( 約92万円 ) なのに対し、化学、医薬品産業の同ランクの人の月収は1万5000スイスフラン ( 約140万円 ) である。特別な資格を持たない労働者の平均月収は、前者の分野で4900スイスフラン ( 約46万円 )、後者で6766スイスフラン ( 63万円 ) である。

 ところで、56歳以上、30歳以下の労働者の給与は低い。過去6年間、この2つのカテゴリーに入る労働者の給与は減額されるか、よくてそのままである。その結果、退職が近づいている人の給与は45〜55歳の同僚の給与より低いことになる。また、「30歳以下の労働者の給与はあまりに低すぎる」とスイス労働連盟の会長ビタル・ステュツ氏は指摘する。 

 女性の給与は、男性の同僚に比べ、かなり低く、平均月収5962スイスフラン ( 約56万円 )。男性は7750スイスフラン ( 約73万円 )。理由は、3分の2の女性が高いポストや、専門のポストに就いていないからだという。

地域格差も大きい

 一方、地域的な給与の格差も顕著である。MEM産業ではチューリヒ近郊の労働者が最も高額の給与を得ており、平均月収8185スイスフラン ( 77万円 )。次いでスイス中部の労働者が良い給与を得ている。

 これに対し、スイス東部、スイスフランス語圏の北部の労働者の平均月収は、前者が7000スイスフラン ( 約66万円 )、後者が6900スイスフラン ( 約65万円 ) であった。

swissinfo、外電 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 意訳

– ドイツのニュールンベルグにある「ミハエル・バウアー研究所」が発表した調査によると、スイスはヨーロッパ40カ国の中で、第2位の消費国である。第1位がルクセンブルク、第3位がイギリスであった。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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