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swissinfo解体方針をどう見るか

国外に住むスイス人をはじめ、各界から驚きと反対の意見が浮上。 swissinfo.ch

英語、独語、仏語、イタリア語ばかりではない。日本語、中国語、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語と9カ国語でスイスのニュースを報道するスイスインフォの存続が危うい。スイス放送協会は21日の役員会で、子会社であるスイスインフォを実質的に解体する決定を下した。今後は英語の1言語のみで、内容も大幅に縮小される方針だ。

このコンテンツは 2005/03/25 11:38

国外に向けに報道をし続けた唯一のメディアに終止符が打たれるのか。発表を受け国外に住むスイス人やメディアなどから即刻、反対の意見が浮上した。

26日、ベルンで開催された国外に住むスイス人の集まり、スイス在外者協会(ASO)の会合では、スイスインフォの実質的解体が報道されたことを受け、議題の一つとして解体問題を取り上げた。全会一致で、スイス放送協会に対し、現行どおり外国に住むスイス人に向けた情報の発信をしつづけることを要求すると決定した。

swissinfoの重要性を認める声

スイスインフォの前身であるスイス国際放送は、国外向けのニュース発信の免許資格の条件として、1.外国に住むスイス人に向けてスイスのニュースを発信する。2.民族間の理解を深める。3.外国に対するスイスの存在を示し、スイスの関心事項を理解してもらうといった3つの使命を負っており、その使命は現在のスイスインフォにも受け継がれている。

第一の使命がなくなってしまうことで直接影響があるのが、国外に住むスイス人だ。国外在住者協会(ASO)の会頭、ゲオルグ・シュトゥッキ氏はこのほど協会の会合が開かれたベルンで、「スイスインフォはスイス放送協会内で活発な活動をするのが妥当だ」と語った。また、同会理事のルドルフ・ヴィダー氏は「スイス放送協会の内部で、スイスインフォを縮小するという圧力があるのは知っている。わたしたちは、スイスインフォがスイス国外に情報を発するメディアとして存在し続けることを支持する」と明言し、「スイスの国語のみならず、現行どおり9カ国語によるニュース報道を続けるべきである」と語った。

視聴者の声

テレビやラジオなどに対する意見を述べる役割を果たす視聴者評議会はスイスインフォ解体方針の決定に対し「理解できない」と不満の声を上げた。

「スイスインフォはラジオ短波の代替として、何年もかけて作り上げられてきたメディアであり、免許発行が条件とする使命を果たしてきた。スイスインフォの解体は、スイス放送協会の財産の無駄遣いであり、報道機関としての成功の道につながる戦略を放棄することに等しい。スイスインフォは、安い経費でスイスの存在を海外に示す格好の道具である」と意見表明を行った。

また、社会民主党は、近々下院で審議するという。「スイスの存在を世界に知らしめる必要を感じている現在、インターネットという最新手段によるスイスからのニュース発信を止めることは、非建設的だ。即断するのではなく、放送法の改定、スイス放送協会のオンラインジャーナリズム戦略方針など、幅広い観点からの熟慮が必要とされる」と今回の決定には反対を表明した。

各紙の反応

スイス放送協会の決定が発表になると、国内メディアは一斉にこれを報道した。ドイツ語圏の日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)は23日付けの紙面で、「今回の決定は、スイス国外に発信している『スイスの声』を今後どうしていくのかといった政治的討論を経ずなされた。スイスという存在を外国諸国に対してどのように示すのかという方針が定まっていないのがそもそも問題」と書いた。

バーゼル州の地方紙バーゼラー・ツァイトゥングは、「このような過激な決定が、前触れもなく下された。スイスの存在を外国に示すことは一見重要ではないように思われるが、これほどスイスに利益をもたらす事項はないだろう」とし、第二次世界大戦中、スイス軍が市民を防壁の外に置くかのようにして、山に立てこもって国家防衛に専念したことを例に挙げ、「スイスは孤立路線を歩むつもりなのか」と指摘した。

スイス首都ベルンの日刊紙デア・ブントは、解体は連邦政府からの補助金がカットされることによると指摘した上「予算が出ないなら、サービスを縮小するしかないというのはいたって論理的。しかし、予算不足を理由にやせこけた国が、外国でいくら意見を述べても、聞く耳をもたれないだろう」と、国の補助をカットされたスイス放送協会に同情的だ。そのほか、swissinfoにはメールで読者からの意見が寄せられている。

swissinfo 佐藤夕美 (さとうゆうみ) クリスティアン・ラアフラウブ

キーワード

2004年末現在外国に住むスイス人623,000人
03年より1万人増加
このうち有権者は95,000人

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