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仏エビアンサミットにスイス全面協力

3月に仏シラク大統領とスイス、クシュパン大統領がエビアンサミットの警備について話し合った。 Keystone Archive

6月1日から3日までに開催予定のエビアン主要国首脳会議(G8)にスイスがフランスと共同警備体制に協力することに合意。

反グローバル化デモに備えて厳戒態勢をとる予定。

エビアンサミット

 レマン湖の南湖畔、ジュネーブから北東50キロに位置するあるフランス領のエビアンがG8の開催地に選ばれたのは、地上アクセスが限られているため警備しやすいからだ。人口約7千人の小さな町だがジュネーブ空港から近いうえ、12キロ対岸のローザンヌに宿泊する首脳陣をヘリコプターで会場まで送迎できる。

厳戒態勢

 スイス政府はこの会議に備え、5月31日から6月5日までレマン湖東側の船舶の通行を一切禁止し、今春開催されたダボス会議と同じように、上空一帯に飛行禁止空域を設ける。スイスと仏で合わせて6千人余りの警官を動員する予定だが、スイスはこれに加え4500人の軍隊も動員、警備を補強する予定だ。

反グローバル化デモ

 2001年のジェノバでのG8から想定すると30万人の反グローバル化運動家が集まると予想されている。反グローバル化のデモはジュネーブから仏領の隣町、アヌマスまで行進予定だが、ローザンヌなどにも集まる可能性がある。主催者側はこのようなデモが暴力的にならないようにブラックリストも用意し、検問も強化する。関係者からはこの警戒態勢は“やり過ぎ”との声も出ており、デモを主催するホタン・トルトーザ氏は「これではまるで、バグダッドみたいだ。平和な集会なのに」とコメントした。

エビアンの経費

 G8の警備費は4千万フラン(約34億円)相当と予想される。このうち、約半分弱をフランスがスイスに支払う協定が8日に結ばれた。エビアンサミットには小泉首相も出席予定。また、スイスのクシュパン大統領がジュネーブ空港で米ブッシュ大統領と会見することになっている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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