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スイスの石油トレーダーが明かすホルムズ封鎖の影響

ホルムズ海峡に足止めされたオイルタンカーと貨物船。2026年3月11日撮影
ホルムズ海峡に足止めされたオイルタンカーと貨物船。2026年3月11日撮影 Keystone / AP

イランとの戦争とホルムズ海峡での船舶の航行制限がエネルギー価格の高騰を招いている。石油トレーダーたちはスイス西部ローザンヌで開催された年次会合で、現況を報告し合った。

イラン戦争とホルムズ海峡の封鎖により、エネルギー供給の不確実性が高まっている。この地政学的に敏感なビジネスの中心にいるのは、大手石油トレーダーたちだ。めったに企業戦略を明かすことのない秘密主義の業界だが、4月20~22日にローザンヌで開催されたFTコモディティ・グローバル・サミット外部リンクでは、彼らの貴重な洞察が披露された。

商品取引会社トラフィグラ(本社・ジュネーブ)のリチャード・ホルタム最高経営責任者(CEO)は、戦争は同社を直撃していると述べた。同社は巨大なタンカー船団を保有しており、現在9隻がペルシャ湾で立ち往生している。ホルムズ海峡を通過できたのはわずか1隻のみだ。

一方、同業のマーキュリア(本社・ジュネーブ)のマルコ・デュナンCEOは、立ち往生したタンカーをすべて解放することに成功したと語った。だがその方法や費用については明かさず、「方法はいくつかある」と述べるにとどめた。

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国際宇宙ステーションから撮影されたホルムズ海峡の様子。NASA提供

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ホルムズ海峡の混乱がスイスに及ぼす影響

このコンテンツが公開されたのは、 海上輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖されて1カ月以上が経った。米・イスラエルのイラン攻撃を発端としたこの混乱は、世界のエネルギーおよび人道支援物資のサプライチェーンの脆弱性を浮き彫りにした。

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アジアを直撃

世界最大の石油トレーダーであるヴィトル(本社・ジュネーブ)は、湾岸諸国で石油製品を幅広く取り扱っている。同社のラッセル・ハーディCEOは、同地域のインフラが深刻な被害を受けていると明かした。価格高騰や配給制という結果をもたらし、その最大の影響は現在、アジア諸国に及んでいる。欧米諸国にも、時間差を伴って影響が及ぶ可能性があるという。

トラフィグラ社のホルタム氏は、原油相場は総じて北海ブレント原油やウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油といった基準相場から算出されるべき価格を上回っていると語った。これらの基準価格は「ペーパー価格」と呼ばれ、実際に船に積まれた原油の価格(現物価格)とは異なる。現物の場合、商品が確実に届けられるという保証に対しても対価を支払わなければならない。それも2カ月先ではなく「今すぐ」にだ。

原油価格の変動は、トレーダーが投機によって莫大な利益を得る機会を与えている。ここ数週間、数カ月に一儲けしたトレーダーもいた可能性が高い。ホルタム氏はこれに関する事実確認を拒否した。「何か言えるかもしれないが、言わない」としつつ、「満足している」とだけ述べた。

ホワイトハウスと直結

石油取引会社ガンバー・グループ(本社・ジュネーブ)のゲイリー・ペダーセン社長も同様の見解を示した。アメリカである同氏は競合他社と同じように、ホワイトハウスと直接連絡が取れる立場にある。米国政府は資源確保策を模索しており、ガンバーはその解決策を提供できる可能性がある。

CEOらは、米国政府が中国に対する自国の立場を確保するために非常に積極的に活動している、という点で意見が一致した。ヴィトルのハーディ氏は、欧州も一貫したエネルギー政策を提唱する必要があると強調した。英国出身のハーディ氏は「そのために国を征服する必要はない」と熱弁した。

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独語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子

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