スイス大、授業料値上げ相次ぐ
厳しい財政状況を背景に、スイスの複数の大学が2026年から授業料を引き上げる。
授業料値上げの主な要因は、2027年から計画されている連邦政府の交付金削減にある。州立大学は年間1億2000万フラン(約237億円)、スイス連邦工科大学(チューリヒ校・ETH、ローザンヌ校・EPFL)では年間7800万フランの削減が課される。
ETHとEPFLはすでに2025年、外国人留学生の1学期あたりの授業料をスイス人学生の3倍となる2190フランに引き上げた。
ベルン大学は5500万フランの財政赤字への対応として、一部のコース削減を決めている。ベルン応用科学芸術大学は授業料を改定し、スイス人学生は1学期あたり850フラン(+100フラン)、外国人留学生は最大2350フランを支払うことになる。
ザンクト・ガレン大学は7%の授業料値上げに踏み切った。スイス人学生は1学期あたり1310フラン、外国人留学生は3300フラン以上となる。
一方、スイスイタリア語大学(ルガーノ大学、USI)は既に授業料が高額(2000フラン/4000フラン)なため、現在の水準を維持する方針だ。USIの広報部はスイス通信社Keystone-ATSに対し「授業料ははじめからスイスの平均を上回っていた。州からの助成は比較的少なく、大学の資金の大部分は学生の授業料で賄われている」と説明した。
授業料の値上げは、高等教育へのアクセスにおける機会均等の原則に重大な懸念を引き起こしている。スイスの大学学長会議スイスユニバーシティーズ(Swissuniversities)によると、大幅な値上げは、経済状況に関係なく誰もが能力に応じて平等に教育を受ける権利を保障する憲法に反し、奨学金制度の調整が必要となる。同団体は、この制度は国の繁栄の重要な原動力を損なうリスクがあると警告している。
▼スイスの大学、どうすれば入れる?
英語からのDeepL翻訳:大野瑠衣子
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