バルテュスの行方不明油彩画 スイスで発見
フランスの画家バルテュスの行方不明になっていた作品が、スイスの個人コレクションの中から発見された。ジュネーブ湖畔の町ヴェヴェーのジェニッシュ博物館は、30年代のバルテュスの作品「Jouese de Diabolo」を発見したとの声明を発表した。
ジェニッシュ博物館は、「紛失されたと諦められていたバルテュスの主要作品が発見された。これは重大事件だ。」と声明文に記した。この作品は、ゲームをしている少女の踊るようなポーズを描いたもの。バルテュスは、この作品を友人のEmo Bardeleben(1932年にスイスから米ニューヨークへ移住)に寄贈した。
この作品の現在の所有者(匿名)が、同博物館絵画部学芸員らに見せたところ、バルテュスの作品であることが確認された。「この油彩画がバルテュスの作品であることは間違いない。裏にバルテュスの署名と日付けがある。バルテュスの最初の妻Antoniette de Wattevilleに宛てた書簡に、これより先に描かれた作品6点とともに、この作品に関する記述がある。」と、ローレンス・リップシュタイン学芸員は言う。リップシュタイン氏によると、ジェニッシュ博物館が開催する予定のバルテュス展(油彩画、水彩画計107点)に、この作品も展示される。
20世紀の具象画家バルテュスは、本名バルタザール・クロソウスキー(またはクォンソフスキー)・ド・ローラ、パリ在住ポーランド人一家に1908年2月29日生まれる。不思議な官能性をたたえた少女画で知られる。2000年、92才でスイスRossiniereの自宅で死去。晩年は67年に結婚した日本人の節子夫人とヴォー州の18世紀に建てられたシャレーで20年以上暮らしていた。
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