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132億光年のかなた

銀河の若い頃の姿がいま見られるのは、星があまりにも遠いところにあるから。 swissinfo.ch

スイス・フランスの天文学者チームが、銀河「アベルIR1916」を発見。これまで発見された銀河の中でも地球から最も遠く、132億光年の距離にある。

このコンテンツは 2004/03/01 11:17

このほど発見された銀河を通して宇宙が生まれてから5億年経った時の様子が、観察されることになる。いまから132億年前に銀河が放った光が、いま地球に届いているからである。宇宙の解明されていない部分に、科学者たちの注目が集まっている。

米国チームが2月16日に発見した銀河より2億光年遠い銀河がこのほど、スイス人とフランス人の科学者チームにより発見された。発見された銀河は地球から132億光年の距離にある。スイス連邦基金の科学促進部がこのほどの新発見を発表した。

チリの天文台からビックバンに逆戻りする

スイス−フランスチームを指導するジュネーブ大学のダニエル・シェーラー氏によると「銀河の発見はトゥルーズの天文学者チームとの協力で3年前から始まった。チリで観察されたデータをトゥルーズで分析した」。新しく発見された銀河は、宇宙の誕生であるビッグ・バンからたった4億7000年しか経っていない。ビッグ・バンはいまから137億年前に起こったと見られている。132億光年のかなたにある星が放つ光は132億年かかって地球に到達するので、いま地球で観察されるその姿は132億年前のものということになる。発見された銀河の大きさは、地球のあるわが銀河の1万分の1の大きさで10光年。

アベル1835−IRの発見には南米チリのセロ・パラナルの山頂にヨーロッパ南天天文台(ESO)が設置した大型望遠鏡群(VLT)が使われた。口径8.2メートルの反射望遠鏡を4基組み合わせ、実質口径16.4メートルにして観測するので、ハッブル宇宙望遠鏡並の性能があり、新しい発見が次々となされるのではないかと期待がかけられている。

生まれたばかりの星の成分を解明する

今回の発見で宇宙の解明されていない時代のことが分かる可能性は高い。宇宙はビッグ・バンによって生まれたとみなされる。ビッグ・バン後に宇宙は一旦暗闇となる暗黒時代経て、1億年から4億年経った後に星が生まれ、銀河が形成された。米国チームの発見した130億光年の銀河と比較すると、今回のスイス−フランスチームの発見した銀河は2億年の差だが、その意味の違いは大きく、専門家の注目度も理解されよう。

前出のシェーラー氏によると、春には天文学者は再び展望台で観測を始めるという。「銀河を構成する星の化学物質に注目している。星が水素とヘリウムといった単純な元素で成り立っているのか、他の物質を含むのか」を解明するのが今後の課題だ。成分が判明すれば、誕生間もない星の構成物質も予測できるので重要である。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)意訳

キーワード

「アベルIR1916」は地球から132億光年。直径10光年。
銀河は数十億個から1兆個の恒星の集合体。
形は渦状、楕円状、棒状など。
中心から大量の星を生成するものや中心から大量のエネルギーを放出する銀河など種類も多様。

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補足情報

132億光年のかなたに、スイス-フランスの天文学チームがチリの天文台で銀河を発見。
宇宙の年齢は137億光年前後と測定され、いま地球から見られる新発見の銀河は、ビッグ・バンといわれる宇宙の誕生から5億年経った姿を現していることになる。
2月16日、米国チームが130億万光年にある銀河を発見したばかりだったが、それより2億光年遠い銀河。

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