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2分するスイスのイメージ

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典型的なスイスのイメージからスイスは非常な恩恵を受けている。2000年から2006年に外国で行われたスイスのイメージ調査の結果がこのほど発表された。もっともこの調査は、UBS銀行のアメリカでの脱税事件発生前に行われており、この事件によるスイスのイメージへの影響は分からない。

このコンテンツは 2009/09/10 15:26

UBS事件、核エネルギー密輸事件、ガダフィ大佐息子夫妻逮捕事件など、国際的にスイスのイメージを傷つける事件は、2006年以降に発生している。しかし今回発表になった調査結果でも、スイスのイメージの現状が見え隠れしている?

スイスを知ってもらうことがイメージアップに

「プレゼンス・スイス ( Presence Switzerland ) 」の依頼により、行政事業高等学校研究所 ( IDHEAP ) は、2000年から2006年にかけて、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、日本、中国、アメリカでスイスのイメージについて調査を行った。
「調査の目的は、スイスのイメージを他国のイメージと比較することにありました。興味深いことは、否定的な事件が、イメージに必ずしも悪い影響をもたらさないということです。スイスのことをよりよく知っている人は、スイスに対するイメージも良いのです」
と調査にあたったミリヤ・ヴァイス・リカルト氏は説明する。

例えば銀行の守秘義務についてよく知れ渡っているフランスやドイツでは、スイス全体に対して非常に良いイメージを持っていることが分かった。
「 ( 銀行の守秘義務といった ) 一部否定的なイメージのあるテーマについてよく知られていることが、スイスにとっては逆に利点になっている」
と調査は報告している。また、2001年に国民投票で欧州連合 ( EU ) への早期加盟を否定したことについて、多くの国で「特にネガティブなことではない」と評価されている。国民投票の結果は外国のメディアが、スイスの孤立化、独自路線として報道したにもかかわらず、一般市民の受け止め方は否定的ではなかった。

2001年にスイスのシンボルともいえる「スイスエアー ( Swissair ) 」が倒産した。これについても、スイスのイメージへの影響は少なかったという。この時にも、スイス国内のメディアは否定的であり、外国のメディアも「国家の悲劇」、「悪夢」として取り上げたのだった。

アメリカでのプロモーションは必要なのか

「スイスとスイスの特徴が、私たち自身が思うより外国で好感を持って受け止められているという結果は過去にもありました。将来もあるでしょう」
と連邦外務省 ( EDA/DFAE ) 広報官のゲオルク・ファラゴ氏は、今回の結果を踏まえて指摘する。しかし、なぜこのような結果になるのだろう。良いイメージは一時的な悪いイメージより安定しているからだと報告書は理由づける。また「国の総合的イメージは長期的に続く」とファラゴ氏は分析する。今回の調査でもアメリカにおけるスイスのイメージは基本的に良かった。
「アメリカ人はスイスを連帯感のある、国際社会でも活躍する国として認識しているという2000年の調査を裏付けるもの」
とファラゴ氏。

実際イメージが悪くなったわけでもないという結果が出たにもかかわらずミシュリン・カルミ・レ外相は「アメリカで受けたスイスのイメージ悪化を是正すべく」、200万フラン ( 約1億7500万円 ) を掛けたイメージアップキャンペーンに乗り出そうとしている。これに対しファラゴ氏は、オピニオンリーダーやメディアの一部が、スイスの金融界に対して批判的であることを挙げ「ここに政府はより力を入れている」と言う。イメージアップは金融界にとどまらず、技術革新力と競争力の面でも努力する必要があるいう。

あまり知られていない民主主義

ヴァイス・リカルト氏によると、調査で分かった重要な点は、スイスの実像が外国人が持つ像とは異なっていることだ。特に人道活動、人権への貢献、直接民主主義、時代の先を行くスイスの工業製品などは外国ではスイスの特徴としてはとらえられていない。

その理由としてヴァイス・リカルト氏は、スイスの国外での平和活動については、他国の活動と同等に見られていることを挙げた。また、こうした活動も赤十字国際員会 ( ICRC ) の活動として見られ、これをスイスと関連させて見られることがないためという。一方、直接民主制については、外国にしっかりと説明していないため、歪曲して理解されているという。

こうした歪曲があるにせよ、調査の結果は「スイスは非常に良い典型的なイメージが強い」と結論付けている。チョコレート、チーズ、時計、銀行、清潔さ、美しい風景。こうしたステレオタイプのイメージがスイスを支配している。とはいえ、こうした固定観念から来る良いイメージでスイスが包まれていることは、スイスにとって良いことだという。ヴァイス・リカルト氏は
「小国スイスにとっては良いこと。固定観念を土台にして他の情報を積み重ねることができる」とその利点を利用することを提案する。

ファラゴ氏も
「伝統的なスイスのイメージが良いことは、良いことです。例えば、悪いイメージで固まり、これを払しょくするために努力する多くの国々や世界にあまり知られていない国と比較すると、条件が良い。政府の目指すところは、スイスの伝統的イメージに現代のスイスの姿を加えて完全な姿を知らしめることにあります」
と語る。

コリン・ブクサー、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )

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