1988年にレバノン・バアブダーに生まれたジャド・エル・クーリーは、クウェートやベイルートで路上アーティスト兼インテリアデザイナーとして活動する(Jad El Khoury / Fumetto Comic Festival)
Jad El Khoury
フランセスク・ルイズの「拡張コミック」は、絵柄がコミックの枠を超え展示室まではみ出す形式をとる(Francesc Ruiz / Fumetto Comic Festival)
Francesc Ruiz
ルイズは1971年にスペイン・バルセロナで生まれ、エジプトのカイロや米フィラデルフィア、スペインのレリダで活動。作品は現代美術のギャラリーに展示された(Francesc Ruiz / Fumetto Comic Festival)
Francesc Ruiz
美術評論家のマックス・アンドリューズ(フリーズ・マガジン)は、「フランセスク・ルイズはコミック・ストリップ形式で作品を作る。それは安っぽい印刷―とセリフや絵―が持つ急進的な潜在力を活用し、物語を紡いだり同性愛者のアイデンティティの構造や現代の街角などを探究したりするものだ」と論評した(Francesc Ruiz / Fumetto Comic Festival)
Francesc Ruiz
イラストレーターのマリア・ココリーナはモスクワ在住。2016年のフメットでも出展した。今年は個展の形で参加している(Maria Kokorina/ Fumetto Comic Festival)
Maria Kokorina
リノリウムやセラミックを使った印刷で、ココリーナは主にロシアの伝統や歴史、自然を作品にする。だがこちらの2点はココリーナの目で見たスイスが描かれている。スイスインフォのために特別に制作した(Maria Kokorina/ Fumetto Comic Festival)
Maria Kokorina
ロケシュ・コドケはインド・ニューデリーの独立アーティスト兼イラストレーター。コミックや絵本の作家が集まる「ブルー・ジャッカル」の創設メンバーの1人。デリーでインド・コミック・フェスの立ち上げにも関わった。この作品はロケシュの育ったインドのボーパールを題材にした。1984年に深刻な産業事故で被害を受けた街だ(Lokesh Khodke/Fumetto Comic Festival)
Lokesh Khodke
田名網敬一の作品はサイケデリックな視覚と日本文化、アメリカンコミックの世界を繋ぐ。貿易や戦争、病気、欲望について物語り、生き生きとした宇宙に誘い込む(田名網敬一、本人及びナンヅカ提供/ Fumetto Comic Festival)
XX
田名網敬一の作品はサイケデリックな視覚と日本文化、アメリカンコミックの世界を繋ぐ。貿易や戦争、病気、欲望について物語り、生き生きとした宇宙に誘い込む(田名網敬一、本人及びナンヅカ提供/ Fumetto Comic Festival)
diptych
田名網敬一がスイスで出展するのは今回のフメットが初めて。スケッチや着色のほかにコラージュや版画、アニメ、彫刻などさまざまな手法を織り交ぜ、コミックに特殊な視覚効果を与えた(田名網敬一、本人及びナンヅカ提供/ Fumetto Comic Festival)
XX
約30年前から続くスイス・ルツェルンの国際コミックフェスティバル「フメット外部リンク」。世界中から観客が集まり、欧州で最も重要なコミックの祭典の一つに位置付けられている。
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今年のフメットのポスターは日本人ポップアートの巨匠、田名網敬一氏の作品で飾られた
Keiichi Tanaami
約30年前から続くスイス・ルツェルンの国際コミックフェスティバル「フメット」。世界中から観客が集まり、欧州で最も重要なコミックの祭典の一つに位置付けられている。
今年は13日に最終日を迎える。最初は小さな地域イベントとして始まり、第28回の今回も芸術としての独立を保つ。世界的に高名なコミック画家だけでなく、各国の若い才能が出展する。
9日間にわたり、ルツェルン中の芸術・文化施設に展示された作品たちは、コミックと伝統的な芸術の間の壁を溶かした。ワークショップや青少年向けプログラム、画家らによる講演は祭典の中核となり、全世代にとって魅力的なイベントとなった。
フメットが創設された1990年代初め、それまで子供向けとみなされていたコミックに転機が訪れていた。この記事では、世界中のコミック画家の作品からいくつか、今年の祭典に出品されたものを紹介する。
(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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