ウォーホルのマリリン・モンロー、競売で250億円 スイス美術商出品
ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホルが1964年に制作した米俳優マリリン・モンローの肖像画「ショット・セージブルー・マリリン」が9日、米ニューヨークの競売大手クリスティーズでオークションにかけられ、1億9500万ドル(約250億円)で落札された。20世紀の絵画作品としては史上最高額。スイスの美術商トーマス&ドリス・アマンのコレクションから出品された。
同作品は、ウォーホルがモンローの死から2年後に描いた一連の肖像画の1枚。artnetによると、入札開始から4分足らずで落札された。落札者は米美術商のラリー・ガゴシアン。
これにより同作品は、2015年に落札されたパブロ・ピカソの絵画「アルジェの女たち バージョンO」の1億7900万ドルを上回り、20世紀の絵画作品としては史上最高額を記録した。芸術品の史上最高額は、依然として2017年に落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチの16世紀の油彩画「サルバトール・ムンディ」の4億5000万ドル。
「ショット・セージブルー・マリリン」はこれまで、1977年にきょうだいでチューリヒにギャラリーを設立したスイスの美術商、トーマス&ドリス・アマンが所有していた。1993年のトーマスの死後は、ドリスが昨年他界するまでギャラリーを率いていた。アマンきょうだいは、約40年前に米出版大手コンデナスト社の元名誉会長でメガコレクターのサミュエル・Si・ニューハウス氏から同作品を購入した。
財団のコレクションから出品された作品計36点の売り上げは、子供たちの医療や教育プログラムを支援する「トーマス&ドリス・アマン財団」に寄付される。
クリスティーズの8日の発表よると、落札者は「ショット・セージブルー・マリリン」の売り上げの2割をどの慈善団体に割り当てるかを選択する発言権を持つ。また、この落札は慈善寄付とはみなされないため、税金の控除は受けられないという。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)

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