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スタンガンの代わりにトウガラシ

ピークソン社のジェット・プロテクターJPXはトウガラシ溶液の飛沫を7メートル先まで正確に発射する piexon.com

世界中の警察や警備隊が、トウガラシ溶液の飛沫を発射するスイス製のスプレー式ピストルを購入している。このピストルを製造したピークソン社 ( Piexon ) はスタンガンより安全だと主張する。

このコンテンツは 2008/11/06 15:25

しかし、人権保護団体のアムネスティ・インターナショナルは、どちらの銃も危険と訴え、その効果に対しても疑問を投げかけている。

切りつけられるような痛み

缶入りのトウガラシ・スプレーと異なり「JPXジェット・プロテクター ( 以下JPX ) 」は液体状のトウガラシを使用する。JPXの弾丸には、トウガラシから抽出したカプサイシン9.4グラムを含む溶液が内蔵されている。JPXは、花火の打ち上げ技術を使い、時速450キロメートルの速さで弾丸を発射する。射程距離は約7メートルだ。

ピークソン社の技術製造部長、ラフェレル・フライシュハウワー氏は、JPXのテスト段階で実験台になって撃たれることを買って出た。
「顔を切りつけられるような感じです。非常に強い痛みがあり、30分間は物を見ることができませんでした。まったく何もできなくなります」

ピークソン社が1年半前にJPXの販売を開始して以来、スイスを含む20カ国で1000丁以上が売れた。スイス南部のティチーノ 州の警察もJPXを使用している。また、ドイツや日本の警察もJPXを予備の武器として購入しており、ビール醸造会社「アンホイザー・ブッシュ ( Anheuser-Busch ) 」の警備スタッフも使用している。

危険か安全か?

非致死性の武器で世界首位の座にあるのは、矢尻がついたワイヤーを発射するテイザー・スタンガンだ。相手の体に矢尻が突き刺ささると電気ショックが伝わり、動きを封じることができる。
「テイザー・スタンガンの使用で死亡者が出るという問題が起きていますが、JPXは安全な上、強力な制圧力を備えているのでスタンガンの代わりになります」
とフライシュハウワー氏は述べる。

アメリカ政府司法省が10月29日に発表した調査によると、テイザー・スタンガンを使用し、第一撃目で攻撃相手を制圧できたケースは全体の69%だ。アムネスティ・インターナショナルは、2001年から2007年の間にスタンガンに撃たれて死亡した人の数は300人以上と指摘する。
「どちらの武器も危険です。問題は、これらの武器が非致死性であると思っている人たちがいることです。そのためそういう人たちは、これらの武器が相手にどういう打撃を与えるのかはっきり分からないまま、怖いことがある度に使うようになってしまいます」
とチューリヒを基盤に広報活動を行うアムネスティ・インターナショナルのダニエル・グラフ氏は語る。

JPXではないが、缶入りトウガラシ・スプレーの使用でこれまでにもおよそ5人が死亡している。手錠をかけられ、背中を曲げられたときに、固形の刺激物を飲み込んでしまったため呼吸困難に陥って死亡したものだ。

警察以外も

ベルンにあるピークソン社の本社には8人の社員が居る。同社はJPXを法律で禁止されていない護身用の道具として宣伝している。同社の宣伝用ビデオは、JPXが攻撃的な犬から親が自分自身や子どもたちを守るために、または家庭内暴力を避けるために効果があると宣伝している。

フレイシャウワー氏によると、従来の缶入りスプレーは缶の中の圧力が下がって使えなくなったり、固形物が出てしまうことがあるが、JPXにはそういった欠点が無いためより効果的だ。また、レーザー・ポインターの光を使って照準を合わせることができる。販売価格は1丁300ユーロ ( 約3万8000円 )で、本体のフレームは、黒、オレンジ、緑の3色がある。

swissinfo、ティム・ネヴィル 笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳

ピークソン社 ( Piexon AG )

2000年から業務を展開。

「JPXジェット・プロテクター ( The JPX Jet Protector Pistol ) 」と同様トウガラシ溶液をスプレーする小型の護身用具で、ハンドバッグの中に入れて持ち運びができる「ガーディアン・エンジェル ( Guardian Angel ) 」も製造している。
メタアンフェタミンやコカインの摂取で攻撃的になった人々をスタンガンの一撃で制圧できなかったケースが多発している。しかし、ピークソン社によると、カプサイシン ( Oleoresin capsicum ) は、相手が麻薬、アルコールなどを摂取している場合、催涙ガスより効果的だ。
アメリカ政府司法省の調査では、攻撃相手の制圧にはスタンガンや化学物質のスプレーよりも警察犬の方がかなり効果がある場合が多い。
また同調査は、「メディアはスタンガンの使用を虐待行為と誇張して宣伝するが、警察などの機関が求める効果を得るには、スタンガンを複数回使用し、矢尻から流れる電流によって相手の体を麻痺させることが必要と考えられる」と報告している。

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