Keystone / Pablo Gianinazzi
スイス医薬品承認機関スイスメディック(Swissmedic)は、ファイザー/ビオンテック製の新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、5~11歳の子供への使用を承認した。だが連邦予防接種委員会は今のところ、同年齢層への予防接種キャンペーン拡大を推奨していない。
このコンテンツが公開されたのは、
スイスメディックは10日付の声明外部リンクで「臨床試験の結果は、この年齢層でのワクチンの安全性と有効性を示した」と言及。1500人以上を対象とした現在進行中の研究では、5~11歳の年齢層で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を起因とした「重篤な疾病に対するほぼ完全な保護効果」が確認できたとした。また副反応の発生頻度は10代や成人に比べ低い傾向にあるとしている。
副反応は2回目の接種後に頻度がやや高くなるとし、注射時の痛み、倦怠感、時に頭痛、関節痛、発熱が起こりえるとした。
スイスメディックは3週間間隔で2回の接種を推奨。だが接種量は成人用の3分の1にとどめるものとする、と述べた。
ただスイスメディックはスイスの通信社Keystone-SDAに対し、国の予防接種戦略にこの年齢層を含めるには、連邦予防接種委員会の勧告が必要になると語った。
連邦保健庁のウェブサイト外部リンクには10日夜の時点で「現在のところ、12歳以下の子供にワクチンを接種する計画はない」と記されている。
モデルナは検討中
モデルナ製ワクチンSpikevaxの子供への使用については、スイスメディックが検討中。決定は出ていない。国内で成人に使用している3番目のワクチンとしてヤンセン社のウイルスベクターワクチンがあるが、子供への使用を検討する旨の申請は出ていない。
連邦政府は国民にワクチン接種を呼び掛け様々な啓発キャンペーンを展開しているが、他の西欧諸国に比べ接種率が伸び悩んでいる。10日時点で、少なくとも1回の接種を受けた人は約68%だった。これは成人(19歳以上)人口の約78%に相当する。
おすすめの記事
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
おすすめの記事
トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
このコンテンツが公開されたのは、
米国はスイスに課す相互関税率を39%と発表。スイス政府は「大変遺憾に思う」と表明した。
もっと読む トランプ政権、スイスに39%の相互関税を発表
おすすめの記事
スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。
もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
おすすめの記事
温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。
もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
おすすめの記事
アルプスに新しい巨大地上絵が登場
このコンテンツが公開されたのは、
世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。
もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
おすすめの記事
スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
続きを読む
おすすめの記事
コロナ重症化リスク因子、年齢だけではない 研究で明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスに対するリスク因子についての知見が増えてきた。スイスの科学者が関与する2つの研究で、遺伝子と血糖値が感染の経過に重要な役割を持つことがわかった。
もっと読む コロナ重症化リスク因子、年齢だけではない 研究で明らかに
おすすめの記事
賛否分かれるワクチンパスポート 国民投票で問われる
このコンテンツが公開されたのは、
多くの欧州諸国と同様スイスでも、新型コロナウイルスのワクチン接種や陰性を示す「COVID証明書」(ワクチンパスポート)に対し、各地で活発な抗議デモが行われている。そのような中スイスでは11月28日、このワクチンパスの将来を左右する国民投票が実施される。
もっと読む 賛否分かれるワクチンパスポート 国民投票で問われる
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。