スイスでは、公共交通機関でのマスク着用は義務付けられていない
Keystone / Pablo Gianinazzi
新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)後、2カ月ぶりに通常ダイヤに戻ったスイス連邦鉄道(SBB)は20日、新たな感染予防対策を検討するため利用者への聞き取り調査を始めた。大衆紙ブリックが報じた。マスクの着用義務を導入するかが主な柱だという。
このコンテンツが公開されたのは、
調査は利用者約200人を対象に実施。マスク着用を義務付けた場合、電車を使う頻度が変わるかどうかを尋ねた。一律に着用を義務付けるべきかどうかも聞いた。
大衆紙ブリックのネットニュースが報じた。連邦鉄道の広報担当者はスイスの通信社Keystone-SDAに対し、結果はまだ出ていないとコメントした。
広報担当者は調査の目的を「利用者が何に不安を感じているのかを明確にするため」と語った。
公共交通機関・観光鉄道の労働組合外部リンク(SEV)は、この一報に驚いているとコメントした。
バーバラ・スパリンガー副代表はドイツ語圏のスイス公共放送ラジオ(SRF)に「連邦鉄道は顧客だけでなく、(検札員などの)従業員のことも考慮している」と語った。一部の鉄道員からは、自分たちはマスク着用が義務づけられているのに乗客は対象外で、健康が阻害されるリスクがあるという声が挙がっていた。
5月11日の通常ダイヤ再開後、車内でマスクをしている乗客は少ない。連邦鉄道のヴァンサン・デュクロ最高経営責任者(CEO)は、安全対策の遵守を確実にするためにはさらなる対応が必要だと語った。
同鉄道とスイス郵便が運行するポストバスは通常ダイヤ再開に際し、マスクの着用は一律に義務付けず、互いに2メートルの距離を保てない混雑時に「強く推奨する」とした。だが国内のメディアグループが実施した世論調査では、回答者の大多数が公共交通機関でのマスク着用義務付けを支持していることが明らかになった。
おすすめの記事
おすすめの記事
電車・バスのマスク義務付け、大半が賛成
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのメディアグループが約2万6千人を対象に実施した世論調査で、7割近くの人が公共交通機関でのマスク着用義務付けに賛成したことが分かった。ただマスクを着けていると答えた人も少なかった。
もっと読む 電車・バスのマスク義務付け、大半が賛成
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
おすすめの記事
ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
このコンテンツが公開されたのは、
2025年大阪・関西万博のスイス館が、13日の開幕日に開館した。没入感のある展示空間でスイスの多様・卓越性を紹介し、150万人以上の来館者を見込む。
もっと読む ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
おすすめの記事
スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。
もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
おすすめの記事
【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
このコンテンツが公開されたのは、
米国の関税措置をめぐり、スイスのギー・パルムラン経済相は7日、米通商代表のジェミソン・グリア氏とビデオ会議による最初の協議を行った。
もっと読む 【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
おすすめの記事
スイス、トランプ関税に報復せず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3日、ドナルド・トランプ政権が同日発表した関税に対し、当面は対抗措置を取らないと表明した。
もっと読む スイス、トランプ関税に報復せず
おすすめの記事
トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ米大統領は、スイスからの輸入品に31%の関税を課すと発表した。
もっと読む トランプ大統領、スイス製品に31%の関税
おすすめの記事
スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
このコンテンツが公開されたのは、
中国のEVメーカー比亜迪(BYD)が正式にスイス市場に進出する。年内に全国で15店舗を出店する計画だ。
もっと読む スイスにBYDが上陸 年内に15店舗
おすすめの記事
スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融市場監督機構(FINMA、日本の金融庁に相当)は1日、監督体制を強化するため組織を再編したと発表した。クレディ・スイス危機への反省から、立ち入り検査機能を増強する。
もっと読む スイス金融当局が組織再編 リスク管理部門を新設
おすすめの記事
スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦経済管轄局(SECO)は1日、これまでに国内で凍結したロシア資産は74億フラン(約1兆2500億円)になったと発表した。資産の所有者の特定が進んだことで、昨年4月から1年で16億フラン増えた。
もっと読む スイスで凍結されたロシア資産、1.25兆円に 所有者の特定進む
続きを読む
おすすめの記事
新型コロナ規制 日本人はスイスに入国できる?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは新型コロナウイルスに伴う国境制限を緩和し、6月15日からEU/EFTA加盟国・英国からの入国が自由にできるようになった。7月20日からは日本からの旅行者も入国できるようになった。
もっと読む 新型コロナ規制 日本人はスイスに入国できる?
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
電車・バスのマスク義務付け、大半が賛成
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのメディアグループが約2万6千人を対象に実施した世論調査で、7割近くの人が公共交通機関でのマスク着用義務付けに賛成したことが分かった。ただマスクを着けていると答えた人も少なかった。
もっと読む 電車・バスのマスク義務付け、大半が賛成
オピニオン
おすすめの記事
握手の未来
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナ危機はヨーロッパの文化習慣を変え、「共生」という概念を変えようとしている――法研究者のAアシュレー・マンタ・ホランズ氏とリアヴ・オルガド氏はこう指摘する。
もっと読む 握手の未来
おすすめの記事
コロナ後の学校再開 喜び、戸惑い混じる船出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで11日、新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)で休校が続いていた学校が約2カ月ぶりに再開した。一部の州を除き、小中学校の子供たちは教室に戻った。再開に関しては州によって状況が異なり、教師や親たちの不安はぬぐい切れていない。
もっと読む コロナ後の学校再開 喜び、戸惑い混じる船出
おすすめの記事
スイス人はなぜマスクを着けないのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで新型コロナウイルス危機を受けたロックダウン(都市封鎖)の解除が進むなか、人々の外出が増える一方でマスクの着用が広がらない。マスクで完全に感染を防げることはないが、リスクは減らせる。なぜスイス人はマスクを着けたがらないのか?
もっと読む スイス人はなぜマスクを着けないのか?
おすすめの記事
スイスで目覚めたフランス人の新型肺炎患者
このコンテンツが公開されたのは、
3月、新型コロナウイルスの波が欧州を襲った時、フランスの病院の受け入れ能力は限界に達した。でも隣国スイスにはまだ余力があった。スイスは仏国境の病院から、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに同意し、これまでに49人の患者がスイスの病院で手当てを受けた。ジャン・ポール・マルタンさんはそのうちの1人だ。
もっと読む スイスで目覚めたフランス人の新型肺炎患者
オピニオン
おすすめの記事
スイスの看護師が見た集中治療室の最前線
このコンテンツが公開されたのは、
国境なき医師団(MSF)の看護師として、ジュネーブ大学病院(HUG)の新型コロナウイルス感染症集中治療病棟に派遣されていたカトリン・ツィンマーさん。出向期間が終わり、集中治療の最前線で働いた日々を振り返る。
もっと読む スイスの看護師が見た集中治療室の最前線
おすすめの記事
電車が通常ダイヤ再開、マスク姿の人は少なめ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは11日、ロックダウン緩和の第2弾が始まった。公共交通機関のダイヤもほぼ通常に戻ったが、ベルン・チューリヒの主要駅では利用者の数がそれほど増えていない。マスク姿の人も少ない。
もっと読む 電車が通常ダイヤ再開、マスク姿の人は少なめ
おすすめの記事
自由の制限は1年以上続く?スイスで長期化不安
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは新型コロナウイルスの影響で国民への行動制限が長期間に及んでいる。すでに緩和は始まったが、国内では個人の自由の侵害を懸念する声が強まっている。
もっと読む 自由の制限は1年以上続く?スイスで長期化不安
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。