諸経費の上昇を消費者に転嫁しているのは外食産業だけではない
© Keystone / Gaetan Bally
スイスでは、一部のレストランが電気・ガス代の上昇分を小売価格に上乗せしている。ドイツ語圏の大衆紙ブリックが報じた。
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外食・ホテル業界団体「ガストロスイス」はブリック紙外部リンクに対し、「全般的に物価が上がっている今、顧客も外食・宿泊価格の上昇に理解を示している」と語った。同紙の報道によると、バーゼル州ブーベンドルフのあるレストランは数日前から「エネルギー費用分担金」として全ての販売価格に5%の上乗せ料金を加算している。利用客に分からない形で上乗せした飲食店もあるという。
ガストロスイスは「一般論として、採算が取れるようにコスト上昇を常に考慮(して価格設定)することをレストランに推奨している」と説明した。エネルギーコスト上昇による値上げを利用者に明示することも推奨もしているという。
一般家庭では、来年の電気代が平均して27%上昇すると言われている。高騰の主な原因は、ウクライナでの戦争によるガス不足と、フランスの原子力発電所の老朽化による発電量の低下だ。
フランス語圏のスイス公共放送(RTS)は、電気料金の上昇を受け、一部のオーナーが小売店やオフィスのテナント料を引き上げたと報じた。
英語からの翻訳:シュミット一恵
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