スイスの原子力発電所から半径50キロ以内の住民に新たな安定ヨウ素剤が供給される。前回配布分の保存期限が近付いたためだ。今後数週間に配布を開始する。
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スイス連邦内閣が12日、安定ヨウ素剤1200万パックを購入したと発表外部リンクした。購入・配布にかかる予算は3400万フラン(約56億円)で、うち1100万フランを原発運営企業が負担する。来年4月までに配布を終える。
軍薬局は医薬品認可機関「スイスメディック(Swissmedic)」の認可を受けた唯一の政府機関として安定ヨウ素剤の製造、輸入、卸売、輸出を一括管理する。取得、保管、配布、廃棄にも責任を負う。
配布には連邦保健庁やスイス郵便も協力する。安定ヨウ素剤は最長10年間保存でき、その後は交換して適切に廃棄しなければならない。
錠剤は政府当局、国立緊急対策センター(NEOC)の指示があった時に限り服用できる。甲状腺内の放射性ヨウ素の蓄積を防ぎ、甲状腺がんを予防する。放射能が放出される重大な原子力事故が発生した時以外に服用の必要はない。
配布対象地域は減少
スイスには5基の原発があるが、解体中のミューレベルク原発の周辺地域(ベルン、ジュラ、フリブール、ヌーシャテル各州)住民は安定ヨウ素剤を配給されない。ミューレベルク原発が現在解体中で、ほとんどの住民は錠剤配給対象から外れたためだ。残るアールガウ州のベツナウ第1・第2原発及びライプシュタット原発、ゾロトゥルン州のゲスゲン原発の半径50キロメートル以内が配給対象になる。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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