新型コロナウイルス スイス国内の感染状況は

2日、春期議会にマスクを着けて現れた国民党のマグダレナ・マルトゥロ・ブロッハー議員。議長から議場ではマスクを外すよう言われ、それを拒否して退席する一幕があった Keystone / Alessandro Della Valle

スイス各地で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が増加している。国内では大規模イベントが相次いで中止され、政府はさらなる感染防止対策を国民に呼び掛けている。

Keystone-SDA/sb

※この記事は3月3日時点のものです。今後、この記事は更新されません。最新情報はこちら

スイス国内の現在の感染者は40人を超えた。2月25日に最初の感染者が確認されてから、感染ルートはいずれも国外だったが、スイス連邦政府は2日、初の国内感染が確認されたと発表した。

連邦内務省保健局は29日、感染拡大が進む隣国イタリアとの国境は現時点では閉鎖しないと述べた。学校も通常通り開校する。

保健局は2日、あいさつの際の握手を避け、使用したティッシュは密閉型のごみ箱に捨てるよう国民に呼びかけた。同局はすでに、飛沫が飛び散らないくしゃみ・せきの仕方、手洗いの敢行などを呼び掛けている。 

世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスの感染拡大リスクに関し、世界全体の評価を「非常に高い」に引き上げた。スイス連邦政府は同日、1千人以上の大規模イベントを中止する措置を発表した。

さらに厳しい対応を取る州も出ており、ベルン州は過去2週間で感染が確認された地域の参加者がいないと証明できなければ1000人未満のイベントも開催しない方針を決めた。クール州は一部例外付きで、50人以上のイベントを禁止する。

フランス語圏のスイス公共放送(RTS)は、ジュネーブ空港に到着した感染リスクの高い地域からの入国者を検疫する方針について、関係機関が協議していると報じた。

イベントの変更・中止

大規模イベントが相次いで中止になっている。例年60万人が訪れるジュネーブモーターショーは5~15日に予定されていたが、開催を見送った。

2日開催する連邦議会の春期議会も特別措置を講じた。連邦議事堂は一般来場者の立ち入りを禁止し、記者の出入りも制限する。今月予定されていた世界反ドーピング機関(WADA)の年次会合もキャンセルされた。

ジュネーブにある国連人権理事会のエリザベス・ティヒー・フィスルベルガー議長は2日、会期中に予定されている3日以降の関連イベントはすべて中止すると発表した。1千人に影響が出るとみられる。700人が出席する人権理事会は20日まで行われる。国連欧州本部の一般向け見学ツアーはすべてキャンセルされた。

スポーツイベントにも影響が出ている。スイスのサッカーリーグは23日まで試合を開催しない方針を決めた。無観客試合を行う案も出たが、クラブ側がこれを拒否した。

SRF-SWI

国内では現時点で1850人超が新型コロナウイルスの検査を受けた。

1日、ベルン州の技術系専門学校の2クラスが国内で初めて、2週間の隔離措置を受けた。このうち21歳の学生に陽性反応が出た。

ヨハンナ・シュピリ原作の物語「ハイジ」にも登場する、スイス東部の温泉保養地バートラガーツの高級ホテルでは、従業員5人が自宅待機措置を受けた。5人と接触した宿泊客にその後感染が認められたためという。

スイスインターナショナルエアラインズは中国、イラン、イタリアなどへのフライトを運休、またはサービスを一部制限している。

近隣国の感染状況

イタリア 2036人(52人死亡)

フランス 191人(3人死亡)

ドイツ 165人

オーストリア 18人

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経済への影響

スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)のエリック・シャイデッガー氏は、大規模イベント中止でビジネスや関連業界への影響は避けられないとし、スイスの経済成長見通しの下方修正が必要になるかもしれないと述べた。SECOはこうした事態への対策マニュアルを公開している。

ギ―・パルムラン経済省は近く「緊急サミット」を開き、新型ウイルスによる産業・社会サービス事業への影響を協議する。


国内の主な感染状況は以下の通り(2日までの情報)。

ティチーノ州:ティチーノ州では国内1例目の感染者が確認された。この男性(70)は28日、3日間の入院ののち、ルガーノの病院を退院した。

ジュネーブ州:スイスの通信社Keystone-SDAによると、28日夕までで、計5人の感染が確認された。全員がイタリアに渡航歴があり、医者に症状を訴えた。

感染が確認されたのは、ジュネーブの国際機関で働くイタリア人の男性(55、フランス在住)やIT業界で働く男性(28)ら。

チューリヒ州:28日、州内で2人目の感染者を確認。45歳の男性で、直近にイタリア・ミラノを訪れていた。27日に陽性判定を受けた女性(30)も1週間前にミラノを訪れていたが、2人の間に直接の関連はない。男性と接触した人たちも隔離措置を受けている。

バーゼル・シュタット準州:保育園の女性保育士が検査で陽性反応。女性と接触のあった園児全員が14日間の隔離措置を受けている。園児の具体的な人数は確認されていない。

この女性のパートナーでバーゼル・ラント準州に住む男性(23)も陽性反応が出た。

アールガウ州:27日午後、男性(26)の感染が確認され、州立病院で隔離されている。男性は1週間ほど前にイタリアのヴェローナに出張・滞在していた。州によると男性と接触した人たちも隔離されている。男性の状態は良好。

1日、シュプライテンバッハの幼稚園教諭(31)の感染を確認。イタリア北部から訪問者が来た後に陽性反応が出た。児童44人と教諭8人、さらに教諭と接触した70人が隔離措置を受けるという。

グラウビュンデン州:27日、2人が陽性反応。いずれもイタリア人の子供で、休暇でグラウビュンデン州に来ていた。州によると、症状が出て入院しているが状態は良好。

29日、さらに4人の感染者が出た。いずれもこのイタリア人家族と関係があるという。

ベルン州:州内初の感染者はビール(ビエンヌ)市の女性(21)。28日夕に陽性が確認され、現在は入院中。経過は良好という。女性は直近でミラノを訪れていた。

ヴァレー(ヴァリス)州:29日、州内で初めて30代男性がシオンの病院で隔離措置を受けた。男性の家族4人も自宅で隔離されているが、経過は良好という。

フリブール州:州は1日、初の感染者が出たと発表。30代の男性で、イタリア北部ロンバルディア州を訪れた際に感染した可能性が高いという。男性と接触した9人が自宅で隔離措置を受けている。

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