1956年以前、スイス連邦鉄道(SBB / CFF)は「ウッドクラス」と呼ばれる3等級の鉄道チケットを提供していた
Keystone / Str
連邦運輸省交通局が委託した報告書によると、「スイス連邦鉄道は格安旅行者をターゲットとした第3等級を導入すべきである」という提案が出された。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦鉄道も飛行機のエコノミークラスのように「集客人数を最大限にした格安の座席」を導入すべきだという。格安クラスの座席は1列5人掛けが提案されたと日曜紙NZZ・アム・ゾンタークが10日明らかにした。
同調査は、鉄道が将来、長距離バスや電気自動車に対抗するための解決策を考案する目的で行われた。
顧客のニーズが非常に異なるため、鉄道会社はできるだけ多くの顧客層をカバーすることが重要だと報告書は指摘する。
報告書の内容に対する反応はまちまちだった。公共交通連合(VÖV/UTP)のウエリ・シュトゥッケルベルガー氏は、3等級の導入はほとんど節約につながらず、業務を複雑にするだけだと述べた。
連邦鉄道は現在、ラッシュアワー以外の時間帯で割引チケットを提供することに焦点を合わせている。
スイス最大の鉄道会社・スイス連邦鉄道(SBB / CFF)は、1956年まで「ウッドクラス」、「ミドルクラス」、および「高級クラス」という3種類の異なるチケットを提供していた。高級クラスの座席はベルベット仕様で、マホガニー製のミニテーブルが付いていたという。
スイス連邦鉄道は、今のところ3等級制を導入する予定はないと日曜紙NZZ・アム・ゾンタークに書面で回答した。但し、今後の具体的なステップは未定で、報告書の提案を参考にした上で「必要に応じて」プロジェクトや戦略に取り入れたいとした。
スイスの鉄道、長距離バス、そして地域の交通機関は、世界で最も優れた交通網に数えられる。スイス連邦鉄道は大規模な鉄道網を運行し、スイスのほぼ全域にアクセスするバス路線と絶妙に補い合う。スイス人は年間平均して72回電車旅行する。日本人に次ぎ、スイス人は世界で最も頻繁に鉄道輸送を利用している。
おすすめの記事
バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
このコンテンツが公開されたのは、
5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。
もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
おすすめの記事
ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
このコンテンツが公開されたのは、
第78回ロカルノ国際映画祭で、香港出身の俳優ジャッキー・チェンさん(71)に生涯功労賞である「名誉豹賞」が贈られることが決まった。
もっと読む ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
おすすめの記事
グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
このコンテンツが公開されたのは、
動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。
もっと読む グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
おすすめの記事
ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
このコンテンツが公開されたのは、
2025年大阪・関西万博のスイス館が、13日の開幕日に開館した。没入感のある展示空間でスイスの多様・卓越性を紹介し、150万人以上の来館者を見込む。
もっと読む ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
続きを読む
おすすめの記事
スイスの公共交通、運賃は高いがコストパフォーマンスは抜群
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの公共交通はたまに使うと高額だが、さまざまな割引チケットを使えば優れたコストパフォーマンスを発揮することが各国の価格比較調査でわかった。
もっと読む スイスの公共交通、運賃は高いがコストパフォーマンスは抜群
おすすめの記事
スイス連邦鉄道、環境に優しい定額運賃パスを試験運用
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は13日、電気自動車など鉄道以外の移動手段を組み合わせる定額運賃サービス「グリーン・クラス」の試験運用を始めた。カーシェアリングを含めた環境に優しい交通手段の利用を促す。
もっと読む スイス連邦鉄道、環境に優しい定額運賃パスを試験運用
おすすめの記事
スイス連邦鉄道の新型車両、運用始まる
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)の新しい二階建て車両「FV-Dosto」の運行が、数年の遅れを経て26日、始まった。SBBはこの新型車両を62編成購入したが、障害者団体が「バリアフリーへの配慮がない」などとして訴訟を起こしたため、残りがいつお目見えするかは裁判所の決定次第となりそうだ。
もっと読む スイス連邦鉄道の新型車両、運用始まる
おすすめの記事
超高速鉄道ハイパーループに夢をかけるスイスの研究者たち
このコンテンツが公開されたのは、
イーロン・マスク氏が磁石の浮力を利用し真空管の中を超高速で走る交通機関で世界を変えようとしている。7月末に米カリフォルニアでこの新技術を競った学生たちのなかには、スイス人学生も2人いた。だが実は発想そのものは新しくはなく、1974年にスイスメトロが似たようなプロジェクトを立ち上げていた。マスク案はその再来といえるのだろうか?
もっと読む 超高速鉄道ハイパーループに夢をかけるスイスの研究者たち
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ鉄道 記録的な訪問者数
このコンテンツが公開されたのは、
ヨーロッパの最高地点にあるスイスのユングフラウヨッホ駅にアジアから多数の観光客が訪れ、記録的に来訪客数を伸ばした。昨年ユングフラウ登山鉄道を利用した観光客は106万7千人で、過去4年間で100万人を越えたのは3回目となった。
もっと読む ユングフラウヨッホ鉄道 記録的な訪問者数
おすすめの記事
地上の混雑を逃れて空路へ
このコンテンツが公開されたのは、
都会に住む人には、言うまでもないだろう。ラッシュアワーに電車やバスに乗ることは、時に悪夢となり得ることを。ならば、空路を使うというのは?例えばボリビアの首都ラパスにあるようなロープウェーが、スイスでも検討されている。
もっと読む 地上の混雑を逃れて空路へ
おすすめの記事
スイスで全長13キロの道路建設に半世紀もかかるワケ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのインフラ整備計画には途方もない時間と労力がかかる。アルプス南北を縦断する高速道路A2と観光地のロカルノをつなぐ全長13キロメートルの高速道路の実現には半世紀はかかる見込みだ。つまり1キロメートルにつき3年が費やされる計算だ。インフラ整備計画が遅々として進まない理由には、直接民主制がある。
もっと読む スイスで全長13キロの道路建設に半世紀もかかるワケ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。