新型コロナウイルス スイス在住日本人の生活を直撃
政府の「ロックダウン」は在住日本人の生活も直撃した。
スイス国内リーグに所属するサッカー選手の飯野多希留(いいの・たける)さんは、週4日勤務するチューリヒ郊外のスポーツ用品店が4月19日まで休業に。所属するリーグの開幕も5月初旬にずれ込み、チームの練習もなくなった。
「開幕に向け合宿などで準備をしてきたので、練習も行えないのは残念」と話す。ただ今後はチームでスカイプによる自宅トレーニングを週2回行うという。休業中も固定給は支給されるため、生活の心配もない。
勤務後に同僚とコロナウィルスに対するスイス政府の対応を聞きました。
— 飯野多希留@スイス (@takeruiino) March 16, 2020外部リンク
最短で明日から4月19日まで僕のスポーツショップはお休み。
もちろんチームの練習も試合も中止。
1ヶ月弱の自宅生活。
これをチャンスと捉えて充実した日々を過ごします🔥 pic.twitter.com/6DV5EOCwZQ外部リンク
3年前から弁当を作り販売している外部リンクチューリヒ州在住のシュテーリ結子さんも、販売を取りやめた。感染拡大に伴い注文量が減ったことや、規制が厳しくなる中で売りの1つである品質の高さを確保できるか見通しが立たなくなった。自身は夫と10歳、15歳の子供たちがいる。「まずは家族の食を守ることが大事と判断した」と話す。
夫とも話し合ってお弁当販売はしばらくお休みすることにしました。ただ希望者には出来る限りのことをさせていただくつもりです。ドアはまだ開いています😊 pic.twitter.com/qezk8531Dy外部リンク
— 結弁当🇨🇭🎌🍱 (@yuibento_ch) March 15, 2020外部リンク
日本人俳優の原サチコさんが専属契約するチューリヒの劇場「シャウシュピールハウス外部リンク」は4月29日まで公演が中止に。4月末公開予定の新作のけいこも今月29日までキャンセルになった。8月には古巣ハンブルク・ドイツ劇場への移籍が控え、オーストリア・ザルツブルク音楽祭外部リンク上演作品への出演オファーも来ていた中での突然の混乱。「これ以上規制が厳しくなったらどうしよう」と戸惑いもあるが「とにかく今は無駄に動き回らずに、ためておいた本を読んだりして過ごす」と話した。
渡航制限が日に日に厳しくなるのを受け、一時帰国を決めたスイス在住の駐在員もいる。
ドイツ語圏に住む男性駐在員は、自主的に妻と一時帰国することを決めた。現在はテレワーク中で帰国しても仕事に支障がないこと、またスイスでは言葉の壁があり、刻々と変わる政府の方針発表を把握しにくいからだという。
男性は「こちらの同僚から『帰国する=スイスを信用していない』と思われるのが心苦しい。日本では、感染者の居住地や場合によっては社名など、個人情報がある程度報道されている。万一自分が感染した場合、ネットなどでつるし上げに遭うのではと不安を感じる」と明かす。
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