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新型コロナウイルス スイス在住日本人の生活を直撃

外出制限
新型コロナウイルスの影響が広がるスイス。いつもは家族連れでにぎわう散歩道も、この日は人がまばら © Keystone / Christian Beutler

政府の「ロックダウン」は在住日本人の生活も直撃した。

スイス国内リーグに所属するサッカー選手の飯野多希留(いいの・たける)さんは、週4日勤務するチューリヒ郊外のスポーツ用品店が4月19日まで休業に。所属するリーグの開幕も5月初旬にずれ込み、チームの練習もなくなった。

「開幕に向け合宿などで準備をしてきたので、練習も行えないのは残念」と話す。ただ今後はチームでスカイプによる自宅トレーニングを週2回行うという。休業中も固定給は支給されるため、生活の心配もない。

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3年前から弁当を作り販売している外部リンクチューリヒ州在住のシュテーリ結子さんも、販売を取りやめた。感染拡大に伴い注文量が減ったことや、規制が厳しくなる中で売りの1つである品質の高さを確保できるか見通しが立たなくなった。自身は夫と10歳、15歳の子供たちがいる。「まずは家族の食を守ることが大事と判断した」と話す。

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日本人俳優の原サチコさんが専属契約するチューリヒの劇場「シャウシュピールハウス外部リンク」は4月29日まで公演が中止に。4月末公開予定の新作のけいこも今月29日までキャンセルになった。8月には古巣ハンブルク・ドイツ劇場への移籍が控え、オーストリア・ザルツブルク音楽祭外部リンク上演作品への出演オファーも来ていた中での突然の混乱。「これ以上規制が厳しくなったらどうしよう」と戸惑いもあるが「とにかく今は無駄に動き回らずに、ためておいた本を読んだりして過ごす」と話した。

渡航制限が日に日に厳しくなるのを受け、一時帰国を決めたスイス在住の駐在員もいる。

ドイツ語圏に住む男性駐在員は、自主的に妻と一時帰国することを決めた。現在はテレワーク中で帰国しても仕事に支障がないこと、またスイスでは言葉の壁があり、刻々と変わる政府の方針発表を把握しにくいからだという。

男性は「こちらの同僚から『帰国する=スイスを信用していない』と思われるのが心苦しい。日本では、感染者の居住地や場合によっては社名など、個人情報がある程度報道されている。万一自分が感染した場合、ネットなどでつるし上げに遭うのではと不安を感じる」と明かす。

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