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スイスの大みそかと新年 新年をカウベルとヨーデルで祝う、シルベスタークラウスの訪問

スイス北西部にあるアッペンツェル地方では、頭に飾りを載せたシルベスタークラウスの訪問で新年を祝う。この訪問は2度。つまり新年を2度祝う。1回目はグレゴリオ暦にしたがって12月31日の大みそかに、2回目はユリウス暦の大みそかにあたる1月13日だ。

シルベスタークラウスたちは今年の暮れ、チューリヒを「例外的に」訪問した。スイスとオーストリアの伝統行事を展示する展覧会がチューリヒのエルネスト・ホール文化財団で開催されたからだ。スイスインフォのカメラは、このときの様子を追った。

クラウスたちの特徴は、何といっても頭に載せた巨大な飾りの「冠」だ。そこには農村の生活のさまざまな場面が彫刻となって表現され、またきれいなビーズの刺繍も施される。

クラウスたちは6人で構成され、うち4人が男性の衣装、2人が女性の衣装を着ている。しかし、(お面を付けているのでわからないが)30キログラムを超える冠を頭に載せ、巨大なカウベルを付けられるのは男性だけだろうから、いつも6人全員は男性だと推測されている。

そしてこの6人は、家から家へ、農家から農家へと10キロメートルもの道のりを歩く。一軒の家の前に着くと、半円の形に並び新年を祝ってカウベルを鳴らしヨーデルを歌う。

最近の研究によると、シルベスタークラウスは聖ニコラウスの伝統と結びつき、その起源は中世にまでさかのぼるといわれる。シルベスタークラウスが実際に書物に現れるのは1663年だ。なお、聖ニコラウス祭は12月6日に祝われる祭りで、聖人ニコラウスはサンタクロースの起源となっている。

キリスト生誕の12月25日の4週間前から始まるアドベント(待降節)の時期は、聖ニコラウス祭もあり、15世紀ごろには人々が夜中も大騒ぎする風習が蔓延(まんえん)。教会は、これを制御する方向に傾き、シルベスタークラウスの伝統も、アッペンツェル・インナーローデン州では18世紀の数十年間、禁止されたという。

(写真・Christoph Balsiger 文・ Peter Siegenthaler, SWI swissinfo.ch)