The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス議会、企業年金改革を支持 国民投票求める動きも

議会での審議
スイス連邦議会は企業年金改革を1年半近く議論してきた © Keystone / Peter Klaunzer

スイスの社会保障の重要な要素である企業年金制度の見直し案が、連邦議会で可決された。

ただ、左派政党が法律の施行に反対するレファレンダム(国民表決)を提起すると表明しており、最終的な判断は有権者の手に委ねられる可能性が高い。

国会で可決された法改正案は、企業年金の財源を強化して制度水準を確保するほか、パートタイム従業員(特に女性)の保護改善を目指す。

中心となるのが年金の減額だ。代わりに様々な補償措置でバランスを取る。定年までの積立金に乗じて最低給付額が加算される最低年金転換率は6.8%から6%に引き下げる。これは、年金の12%が一気に失われることを意味する。

改革への圧力

企業年金はスイスの年金制度の第2の柱で、日本の厚生年金に当たる。平均寿命の伸びや低金利を受け、改革を求める圧力が高まっていた。

年金
swissinfo.ch

ただ両院の審議は白熱化し、90時間以上の議論を経て最終的な合意に至った。

アラン・ベルセ内相は今週、国民投票になる可能性が極めて高くとも、制度の改革は必要だと議会で発言した。

昨年9月には、年金制度の第1の柱で日本の国民年金に当たる老齢・遺族年金(AHV/AVS)の制度改正案が国民投票にかけられた。主な焦点は女性の定年年齢引き上げで、賛成多数で可決された。

英語からの翻訳・宇田薫

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部