The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

フランスとスイスの関係は回復 在スイス仏大使

フレデリック・ジュルネ駐スイス・フランス大使
スイスとフランスの両国は高官による対話を再開し、共通の政治的課題を認識しつつあると言うフレデリック・ジュルネ駐スイス・フランス大使 Keystone / Alessandro Della Valle

フレデリック・ジュルネ駐スイス・フランス大使は先月30日、スイスが米国からF35戦闘機を購入したことについて、仏政府は立腹しておらず、両国は話し合いを再開していると述べた。

スイス政府は戦闘機の新規調達にあたり、仏ラファール戦闘機を含む複数の候補の中から昨年、F35を選定した。ジュルネ氏はスイス・タメディア系新聞のインタビュー(30日付)で「この件はもう決着済み」であり、高官同士による外交的接触が1年ぶりに再開されたと語った。

また地政学的、経済的に異なる状況にある現在、「スイスとフランスは互いに協力する余地のある政治的課題を確認し合った」と指摘。マクロン仏大統領が提唱した「欧州政治共同体」やテレワーク、税制、保健などの国境地域に特化した問題を挙げた。

保健分野での協力に向け15日に創設される合同委員会にも言及し「この枠組み内で、専門家の育成と国境を越えた患者のケアについて熟慮しなければならない」と語った。またスイスの看護師の給与がフランスより高額である点に触れ「補助金でこの給与水準に達するのは不可能」なため、「別の方法を考える必要がある。そのためには一緒に知恵を絞るのがベストだ」とした。

一方、欧州連合(EU)とスイスの枠組み条約交渉が決裂し、スイスがEUの研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」から除外されたことについて、特段の変化はないと指摘。「欧州の要求は10年前から変わらない。これらの問題を解決しない限り、進展は望めないだろう」と語った。

2021年、スイスは過去数十年にわたりEUとの関係を規制してきた約120の二国間協定に代わる枠組み条約の交渉を一方的に破棄した。これをきっかけに欧州委員会との関係が悪化し、以来、外交上の行き詰まりを打開できていない。

英語からの翻訳:シュミット一恵

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部