ジュネーブの赤十字国際委員会(ICRC)は、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによって拉致された人質の解放を促進するため、ハマス・イスラエル双方に接触している。ICRCが12日発表した。
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ICRCは、ガザ地区内の人道的状況が急速に「手に負えなくなる」ことを懸念している。
ICRCの近中東地域ディレクター、ファブリツィオ・カルボニ氏は声明で「中立的な仲介者として、我々は人道的な訪問を行い、人質と家族の間のコミュニケーションを促進し、人質の最終的な解放を促進する用意がある」と述べた。
同氏は記者会見で、ICRCはハマスと毎日連絡を取り合っていると述べた。しかし、被拘束者の居場所については、詳しい言及を避けた。
人質の拘束は国際人道法で禁じられており、拘束された者は直ちに釈放されなければならない、とカルボニ氏は付け加えた。
ハマスが7日にイスラエルを奇襲して以来、兵士、民間人、子供、女性を含む少なくとも150人のイスラエル人・外国人がガザ地区で人質として拘束されている。
トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、人質解放に向けてハマスとの交渉を開始したと、ある政府筋がAFP通信に明かした。
カルボニ氏は、イスラエル軍が報復攻撃を続けるガザ地区の住民についても懸念していると述べた。7日以降で既に数千人が犠牲になっている。
イスラエルは200万人以上が住むガザ地区の完全封鎖を命令。水、電気、ガスの供給を遮断している。
カルボニ氏は、ICRCには発電機用のガソリンや配水網用の塩素など、基本必需品はあるものの、絶え間ない砲撃のためそれらが供給できない状態にあると説明した。
国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)では、職員5人がこの戦闘で死亡している。
カルボニ氏は、国連が求める「人道回廊」を開設し、必需品や医薬品、発電用の燃料の供給路を確保しなければならないと訴えた。
英語からの翻訳:宇田薫
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