2022年12月のジュネーブ空港
© Keystone / Jean-christophe Bott
新型コロナウイルスの感染者が急増する中国からの渡航者に各国が検査・隔離を課すなか、スイスも可能な対策を探っている。
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欧州連合(EU)加盟27カ国は4日、危機対応を巡る会合で、中国からの渡航者への検査義務付けは見送ったが、「強く推奨」することで一致した。
また中国発の航空機では医療用またはFFP2マスクを着用することも推奨する。
スイス連邦保健庁は5日、スイスの通信社Keystone-SDAに対し、同会議の結果を疫学的基準に照らして精査していると語った。
大衆紙ブリック外部リンクによると、昨年末時点では、スイスの免疫保有率の高さを理由に特段の規制は設けない構えだった。ただスイス・EU間はシェンゲン協定により自由に移動ができるため、渡航規制にはある程度足並みをそろえる必要がある。
また今月26日から北京との直行便が運航再開するジュネーブの保健当局は、検査義務の導入を求めていた。
ドイツ、スウェーデン、ベルギーは5日、中国からの渡航者に検査義務を課した。イタリア、フランス、スペインなど複数のEU加盟国は既に独自に入国規制を強化している。
次なる流行
人口14億人の中国は先月、突如「ゼロコロナ」政策を解除した。3年前に武漢市で新型コロナの流行が始まって以来ウイルス封じ込めに徹してきたが、ゼロコロナ政策の撤廃後、ほぼ免疫のない人々の間で感染が急増している。
今月下旬には春節(新正月)の休暇で数百万人が国内を旅行するとみられる。世界保健機関(WHO)はワクチン接種率の引き上げやその他の予防策を講じなければ、さらなる流行の波が発生する可能性があると警告している。
8日からは中国への入国者に対する隔離義務も解除される。中国では3~4月まで大流行が続くとの予想もある。
スイス保健庁は5日、過去7日間の新型コロナ感染者数が4166人だったと発表した。先月29日時点では1万2632人だったが、今月1日から検査費用が自己負担となったため病院などでの検査による陽性者数は大幅に減少した。入院者数は225人、死亡者数は25人だった。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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